打楽器キットの音符の記譜記号

打楽器キットでは、通常の音符と同様に音符に記譜記号を追加してさまざまなリズムを使用できますが、その作用は異なる場合があります。

アーティキュレーション

打楽器インストゥルメントでは、キットの表示タイプにかかわらず、他のインストゥルメントと同じ方法でアーティキュレーションを追加できます。

ただし、グリッドおよび 5 線譜の表示では、追加したアーティキュレーションはいずれも、同じ声部の同じ位置にあるすべてのインストゥルメントに適用されます。たとえば、スネアドラムとトムトムの音符がリズム上の同じ位置にあるとして、これにアクセントを追加した場合、これらは初期設定ではいずれも下向きの符尾の声部で表示されるため、アクセントは両方のインストゥルメントに追加されます。

1 線譜を使用するインストゥルメントの表示タイプに切り替えると、音符それぞれに適用されるアクセントが確認できます。

連符

グリッドおよび 5 線譜のキット表示タイプに記譜する場合、連符は同じ声部のすべてのインストゥルメントに追加されます。

インストゥルメントごとに個別にクロスリズムを入力する場合は、1 線譜を使用するインストゥルメントの表示タイプに切り替えます。グリッドまたは 5 線譜のキット表示タイプに戻すと、Dorico Pro はリズム上の矛盾を解消しようとします。

  • 競合する連符: 連符のうち 1 つがデュレーションの競合を解消するために追加の声部に移動されます。

  • あるインストゥルメントの連符の音符と、もう 1 つのインストゥルメントの連符ではない音符が、リズム上の同じ位置で開始する場合: 連符ではない音符が連符の一部であるかのように表示されます。これは、この音符の開始位置の位置が連符の開始位置と一致するため、元の記譜内容と発音は同じになるからです。

  • あるインストゥルメントの連符の音符ともう 1 つのインストゥルメントの連符ではない音符がリズム上の同じ位置で開始しない場合、または他の連符ではない音符が連符の途中で開始する場合: 連符ではない音符がデュレーションの競合を解消するために追加の声部に移動されます。

    補足

    グリッドおよび 5 線譜のキット表示タイプにおいて連符を削除すると、音符が同じ声部に属するすべてのインストゥルメントから連符が削除されます。

演奏技法

たとえばクローズのハイハットに +、オープンのハイハットに o などのように、演奏技法を入力できます。これは他のインストゥルメントと同様、音符の入力中に行なうことも、既存の音符にあとから追加することもできます。入力には記譜モードで演奏技法のポップオーバーを使用するか、演奏技法パネル内の演奏技法をクリックします。

演奏技法は、そこに同じ声部の他のインストゥルメントがある場合でも、選択した音符が属するインストゥルメントのみに追加されます。

打楽器のスティッキング

Dorico Pro には現在、打楽器のスティッキングに関する専用の機能は実装されていません。ただし、キットのすべての表示タイプにおいて、打楽器のスティッキングを表現するために歌詞機能を使用できます。

  • グリッド/5 線譜の表示タイプ: スティッキングを表示するインストゥルメントの音符を選択します。

  • 1 線譜を使用するインストゥルメントの表示タイプ: スティッキングを表示するインストゥルメントに直接歌詞を入力します。