ライン
ラインはピアノの楽譜でどちらの手を使うかや弓圧の段階的な変化を伝えるなど、楽譜の中でさまざまな意味を伝えることができます。Dorico Pro では、ラインを使用して音符の間を垂直線、横棒線、または斜めの線でつなぎ、さまざまなスタイルや外観を適用できます。
矢印付きの破線などの汎用的なデザインが使用されていることから、Dorico Pro のラインには固定の音楽的意味はなく、その機能は主に表示上のものです。これはつまり、再生に影響を与えないことを意味します。Dorico Pro では、強弱記号、アルペジオ、グリッサンド、トリルなど、再生に影響する固有の記譜記号については専用の機能が用意されています。
Dorico Pro では、以下の種類のラインを使用できます。
- 横棒線
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横棒線は指定したデュレーションにかかります。つまり、ある位置から始まり、それ以降のある位置で終わります。横棒線は弓圧を表わすくさびのように時間の経過に伴う変化を示したり、フーガの主題にまたがる角括弧やメロディが別の譜表に移動する位置を示す音符間の直線のように、音符間のつながりを示したりできます。
連結の種類は、横棒線の位置と特定の性質を制御します。横棒線の開始位置と終了位置にはそれぞれ異なる種類の連結を設定できます。
補足横棒線を入力したあとに連結の種類を変更することはできません。
Dorico Pro では、横棒線のそれぞれの終端に以下の種類の連結を設定できます。
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符頭に連結
音符の位置に関係なく、個々の音符に連結されます。つまり、符頭に連結されたラインの終端は、音符のピッチまたは楽譜での位置を変更すると音符と一緒に移動します。符頭に連結されたラインの終端の位置とラインの角度は開始音と終了音のピッチ差によって決まるため、符頭に連結されたラインは斜めになることも水平になることもあります。
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小節線に連結
位置に連結され、その位置が小節線の位置と一致する場合は小節線に揃えられます。小節線に連結されたラインは常に水平です。
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位置に連結
位置に連結され、その位置にある音符、和音、休符に対して相対的に配置されます。
位置に連結されたラインは水平で、初期設定では譜表の上に配置されます。位置に連結されたラインのそれぞれの終端は、その位置にある音符、和音、または休符の左側で始まり右側で終わります。
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- 垂直線
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垂直線は単一の位置に存在し、その位置にある音符、和音、休符に対して相対的に配置されます。垂直線は、ピアノの楽譜で特定の音符にどちらの手を使うかを示すなど、特定の瞬間についての詳細を伝えることができます。