符尾の方向

Dorico Pro では、音符および和音の符尾の方向は、楽譜の浄書における表記規則に基づくルールに従います。

符尾の方向は自動的に決定されますが、音符、和音、または声部全体について、手動で個別に符尾の方向を変更できます。適用されるルールは以下の条件に従います。

  • 譜表で有効な声部の数。

  • 適用先が音符、和音、または音符の連桁グループのいずれであるか。

  • 同じ和音または同じ連桁グループに属する音符が、譜表間で分割されているかどうか。

単一の声部の単一の音符

有効な声部が 1 つだけの 5 線譜においては、単一の音符のデフォルトの符尾の向きは、その譜表上の位置により決定されます。

  • 音符が第 3 線より上にある場合、符尾は下向きになります。

  • 音符が第 3 線より下にある場合、符尾は上向きになります。

  • 音符が譜表の第 3 線上にある場合、譜表の方向は隣接する音符、連桁グループ、または和音により決定されます。両側の符尾の方向が同じである場合、音符の符尾もそれに合わせます。隣接する音符、連桁グループ、または和音の符尾の方向がそれぞれ異なる場合、または隣接する音符、連桁グループ、または和音がない場合、音符はデフォルトの符尾の方向に従います。

    デフォルトの符尾の方向はインストゥルメントのタイプに従います。初期設定では、第 3 線上の音符の符尾は、インストゥルメントの譜表では下向きですが、声楽の譜表では歌詞との衝突を避けるため上向きです。

    ヒント

    譜表の第 3 線上の音符および連桁グループ、および譜表の第 3 線上から上下に均等に音符が配置された和音におけるデフォルトの符尾の方向は、「浄書オプション (Engraving Options)」「音符 (Notes)」のページにある「符尾 (Stems)」のセクションで変更できます。また、符尾の方向がデフォルトの設定に従うか、それとも楽譜の前後関係に従い変化するか選択できます。

1. 4 番めの音符の符尾が上向きであるため、第 3 線上の音符の符尾は上向きになります。
2. 4 番めの音符の符尾が下向きであるため、第 3 線上の音符の符尾は下向きになります。

Dorico Pro の初期設定では、最初に入力された一連の音符は、符尾が上向きの声部として設定されます。これらの音符は他の声部が入力されるまで譜表の唯一の声部として扱われます。

複声部の単一の音符

譜表に複数の声部があり、すべての声部に音符が含まれる場合、符尾の向きは声部の符尾の向きによって決定されます。符尾が上向きの声部に含まれる音符の符尾は上を、符尾が下向きの声部に含まれる音符の符尾は下を向きます。通常であれば譜表の位置に基づいて逆の方向に符尾が向く場合でも、声部の符尾の方向が音符に適用されます。

補足

符尾が上向きの異なる声部または符尾が下向きの異なる声部に含まれる音符の表示順は、それぞれのピッチと「記譜 (Write)」 > 「記譜オプション (Notation Options)」「声部 (Voices)」ページの設定によって変わります。また、音符の声部ごとに列の並び順を個別に変更することもできます。

音符が 1 つの声部にしか含まれない状態が 1 小節以上続くときは、Dorico Pro は自動的に符尾の方向をピッチに基づくデフォルトの方向に変更します。たとえば、譜表に符尾が上向きの声部が 1 つと符尾が下向きの声部が 1 つあり、符尾が下向きの声部にのみ音符や休符が含まれている場合、符尾が下向きの声部に含まれる音符の符尾は、譜表上の音符の位置によっては上向きになることがあります。ただし、空白の声部で休符や暗黙の休符を表示した場合、音符の符尾の方向は声部の符尾の方向に従います。

3. 上向きの声部を表わすブルーの音符
4. 下向きの声部を表わす紫色の音符。他の声部がないため、下向きの声部に含まれる音符の符尾が上向き
5. 上向き、下向きの声部が同じ小節内にある場合、符尾の方向は自動的に変わる

単一の声部の和音

単一の声部の和音の符尾の方向は、譜表の第 3 線の上下にある音符のバランスにより決定されます。

  • 第 3 線から一番遠い音符が第 3 線より高い位置にある場合、和音の符尾は下向きになります。

  • 第 3 線から一番遠い音符が第 3 線より低い位置にある場合、和音の符尾は上向きになります。

  • 譜表の第 3 線の上下で和音のバランスが均等に取れている場合、譜表の方向は隣接する音符、連桁グループ、または和音により決定されます。両側の符尾の方向が同じである場合、和音の符尾もそれに合わせます。隣接する音符、連桁グループ、または和音の符尾の方向がそれぞれ異なる場合、均等なバランスの和音はデフォルトの符尾の方向に従います。

    デフォルトの符尾の方向はインストゥルメントのタイプに従います。初期設定では、第 3 線上の音符の符尾は、インストゥルメントの譜表では下向きですが、声楽の譜表では歌詞との衝突を避けるため上向きです。

    ヒント

    譜表の第 3 線上の音符および連桁グループ、および譜表の第 3 線上から上下に均等に音符が配置された和音におけるデフォルトの符尾の方向は、「浄書オプション (Engraving Options)」「音符 (Notes)」のページにある「符尾 (Stems)」のセクションで変更できます。また、符尾の方向がデフォルトの設定に従うか、それとも楽譜の前後関係に従い変化するか選択できます。

単一の声部の連桁グループ

連桁グループの符尾の方向は、連桁グループに属する音符が譜表の第 3 線の上下に分布するバランスにより決定されます。

  • 連桁グループに属する音符の過半数が第 3 線より上であれば、連桁グループの符尾の方向は下向きになります。

  • 連桁グループに属する音符の過半数が第 3 線より下であれば、連桁グループの符尾の方向は上向きになります。

  • 連桁グループに属する音符の数が譜表の第 3 線の上下で均等な場合、譜表の方向は隣接する音符、連桁グループ、または和音により決定されます。両側の符尾の方向が同じである場合、連桁グループの符尾もそれに合わせます。隣接する音符、連桁グループ、または和音の符尾の方向がそれぞれ異なる場合、均等なバランスの連桁グループはデフォルトの符尾の方向に従います。

    デフォルトの符尾の方向はインストゥルメントのタイプに従います。初期設定では、第 3 線上の音符の符尾は、インストゥルメントの譜表では下向きですが、声楽の譜表では歌詞との衝突を避けるため上向きです。

    ヒント

    譜表の第 3 線上の音符および連桁グループ、および譜表の第 3 線上から上下に均等に音符が配置された和音におけるデフォルトの符尾の方向は、「浄書オプション (Engraving Options)」「音符 (Notes)」のページにある「符尾 (Stems)」のセクションで変更できます。また、符尾の方向がデフォルトの設定に従うか、それとも楽譜の前後関係に従い変化するか選択できます。