複声部の音符位置

通常、音符はそれぞれ共通の水平位置に上下に連なって配置され、どの音符が一緒に演奏されるか一目で分かるようになっています。しかし、音符の水平位置は複声部では異なる場合があります。

状況によっては、声部ごとの音符の区分を明らかにするために一部の音符をわずかに一方にずらして配置し、声部ごとの列を作る必要があります。たとえば、1 つの譜表に声部が 3 つ以上ある場合や、2 つの声部に含まれる音符の音程が 2 度離れている場合などです。

1. 一番上の譜表の拍の一部に複数の声部列があるフレーズ

異なる声部の音符を組み合わせて配置する方法には、以下の 2 種類があります。

  1. 符頭と符頭 (Notehead to notehead): 符頭の水平位置を部分的に重ね合わせます。この並べ方では、音符を寄せる分、符尾と符尾を合わせた音符の配置よりも水平方向に占めるスペースが少なくなります。

  2. 符尾と符尾 (Stem to stem): 符頭は重ね合わせないで、符尾の垂直位置を重ね合わせます。この並べ方では、異なる声部の音符 (符頭) が別々の方向を向きます。

Dorico Pro の初期設定では「符頭と符頭 (Notehead to notehead)」が選択されています。これにより、リズムを明確にしたまま、水平方向に占めるスペースを最小化できます。また、異なる声部それぞれの音符の並びと配置も自動的に調整されるため、各音符が水平方向に占めるスペースを最小化しながら音符の明確性と可読性を維持できます。

  • 複声部の音符のデフォルトの順番をプロジェクト全体で変更するには、「記譜 (Write)」 > 「記譜オプション (Notation Options)」「声部 (Voices)」ページで設定を行ないます。

  • また、異なる声部の音符同士の最小間隔を変更するには、「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「音符 (Notes)」ページにある「声部 (Voices)」セクションで設定を行ないます。

  • 対となる声部同士の水平方向の配置の順番を手動で入れ替えたり、個々の音符の声部列を変更したりできまs。

  • 音符の表示位置を移動するには、浄書モードで音符のスペーシングを変更します。音符は、同じ位置にある他のアイテムとは個別に動かすことも、同じ位置にあるすべてのアイテムと同時に動かすこともできます。