オクターブ指示記号付き音部記号

オクターブ指示記号付き音部記号は、記譜された音域とは別の音域で演奏することを示します。音部記号の上のオクターブ指示記号は、音符が記譜の内容よりも高い音域で演奏されることを示し、音部記号の下のオクターブ指示記号は、音符が記譜の内容よりも低い音域で演奏されることを示します。

これらの音部記号の中では、唯一 1 オクターブ下のト音記号がテノールボーカルパート用として今も一般的に使用されています。

異なるオクターブ指示記号の付いた 5 線譜上の複数の音部記号

従来、音部記号のオクターブ指示記号は移調楽器であることを思い出させるものとして使われていました。しかし、近年では、一部の作曲家達の間でパッセージが広範囲にわたる場合にオクターブ線のかわりとして音部記号のオクターブ指示記号が使われています。そのため、Dorico Pro の初期設定では音部記号のオクターブ指示記号は無視されます。ただし、移調楽器は自動的に正しく移調されます。たとえば、ピッコロに属する音符は、オクターブ指示記号の付いた音部記号があるかどうかに関わらず、再生時のピッチよりも自動的に 1 オクターブ下に記譜されます。音部記号のオクターブ指示記号に従うか無視するかはフローごとに変更できます。