非標準のタイ
通常タイは、同じ譜表の同じピッチにある 2 つの音符を連結します。しかしタイは、組段区切りやフレーム区切り、音部変更記号、または拍子記号をまたぐ場合もあります。Dorico Pro では、これらのタイプのタイはすべて自動的に配置されます。
またタイは、隣接しない音符、声部の異なる音符や、譜表の異なる音符も連結できます。Dorico Pro では、これらのタイプのタイは手動で入力する必要があります。
組段区切りおよびページ区切りをまたぐタイ
Dorico Pro では、組段区切りをまたぐタイの終端は自動的に配置されます。
その垂直位置は変わらず、両端それぞれが属する符頭に中央揃えで配置されます。その動作も変わらず、記譜モードで組段区切りまたはフレーム区切りをまたぐタイのつながりのうち 1 つを選択すると、タイのつながりに属するすべての音符が選択されます。
区切りの後の組段/フレームの開始位置にある音符の左側に表示されるタイの一部について、適切なカーブを描くために十分な水平方向のスペースが得られない場合があります。この場合、浄書モードの「音符のスペーシング (Note Spacing)」を使用して組段/フレームの開始位置の音符のスペースを個別に調整することで、タイのためのスペースを作れます。
組段区切りおよびページ区切りをまたぐタイでつながれた臨時記号付きの音符
組段区切りおよびページ区切りをまたぐ臨時記号付きの音符をつなぐタイの終端も、自動的に配置されます。
Dorico Pro では、タイでつながれた音符は、拍子記号の指定に合致するよう分かれて記譜されつつも 1 音として扱われるため、区切りの後の組段/フレームの開始位置の音符には、初期設定では親切臨時記号は表示されません。区切りの後の組段/フレームの開始位置の、タイのつながりに属する音符に臨時記号を表示する場合、臨時記号を収めるために音符の位置が変更されます。しかしこの自動配置では、タイの後半部分を適切なカーブで表示するための十分な広さが、音符の左側に得られない場合があります。
拍子記号をまたぐタイ
タイは拍子変更記号をまたぐ音符をつなぐ場合、自動的に配置されます。譜表の途中で拍子変更記号をまたぐ音符がタイでつながれる場合、拍子変更記号の上または下の一部がタイによって隠されてしまいます。もっともタイはカーブしているため、拍子記号が完全に読めなくなってしまうことは考えにくいことです。
音部変更記号をまたぐタイ
タイは音部変更記号をまたぐ音符をつなぐ場合、自動的に配置されます。音部が異なると同じピッチでも位置が変わるため、音部変更記号をまたぐタイは水平ではなくなります。
その結果、音部記号をまたぐタイはスラーと読み間違えられる場合があり、視覚的、音楽的に混乱を招きやすくなります。この場合、タイでつながれた音符より前か後ろに音部変更記号を移動することをおすすめします。
隣接しない音符の間のタイ
直接隣り合う位置になくともピッチが同じ音符間には、タイを入力できます。これは、和音の前の複数の音符にタイを入力する場合などに便利です。
異なる声部間のタイ
異なる声部のピッチが同じ音符間にタイを入力できます。
異なる譜表の音符間のタイ
異なる譜表のピッチが同じ音符間にタイを入力できます。
レセヴィブレタイ
レセヴィブレタイとは、音符を鳴らし続け、止めてはいけないことを指示する短いタイです。これは音符から右側へ少しだけ延ばされますが、もう 1 つの音符につながれることはありません。
レセヴィブレタイはあらゆる音符に追加できます。レセヴィブレタイは、浄書モードで他のタイと同様に編集できます。