スラー

スラーは先細の曲線であり、それがつないだ音符をレガートのアーティキュレーションおよびフレージングで演奏することを示します。

スラーは、状況やインストゥルメントにより、ただフレーズを示す以上の意味を持つ場合があります。たとえば木管楽器のプレーヤーに対しては、スラーはフレーズ中のすべての音符をすべて一息で、タンギングやアーティキュレーションの付け直しを行なわずに演奏することを示します。弦楽器のプレーヤーに対しては、スラーはフレーズ中のすべての音符をレガートで、一弓で演奏することを示します。歌手に対しては、スラーは同じ音節を 2 つ以上の音符で歌うことを示します。

スラーは、適用される音符の符尾の方向に従い、譜表の上下どちらにも配置されます。スラーの終端が音符から離れないようするため、スラーはその途中の音符ではアーティキュレーションより外側に配置されますが、最初と最後の音符では、音符と表示サイズの大きいアーティキュレーションの間に配置されます。たとえば初期設定では、アクセント記号や強調記号はスラー両端より外側に配置されますが、スタッカート記号やテヌート記号はスラー両端より内側に表示されます。

図: 譜表上下のスラーおよび譜表をまたぐスラー

スラーに対するアクセント、マルカート、強調および強調解除のアーティキュレーションの配置は、「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「アーティキュレーション (Articulations)」ページの「スラー (Slurs)」セクションで変更できます。

補足

スラーをタイと混同しないよう注意してください。見た目は似ていますが、タイは同じピッチの音符を一息で演奏することを示します。そういった意味でタイはリズム記号として、スラーはアーティキュレーションとして捉えることができます。