タイのつながりに対するスラーの位置

タイのつながりに対するスラーの位置に関しては、現在使用される楽譜と歴史的な出版物とで異なる表記規則があります。

近代的な表記規則では、タイのつながりの最初の音符からスラーが始まり、タイのつながりの最後の音符で終わります。この表記では、フレーズ全体の長さが演奏者に視覚的にはっきり伝わり、演奏を助けます。Dorico Pro のデフォルトです。

図: タイのつながりの最後の音符で終わるスラー

図: タイのつながりの最初の音符から始まるスラー

一方、歴史的な出版物においては、スラーはタイのつながりの最初の音符で終わり、タイのつながりの最後の音符から始まる場合があります。この違いにより、スラーが短くなって譜表の上下に拡がる幅が抑えられるため、垂直方向のスペースが節約されます。

図: タイのつながりの最初の音符で終わるスラー

図: タイのつながりの最後の音符から始まるスラー

すべてのスラーについて、スラーの開始位置をタイのつながりの最初または最後の音符どちらに合わせるか、また終了位置をタイのつながりの最初または最後の音符どちらに合わせるか、「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「スラー (Slurs)」ページで選択できます。標準の音符間のスラーと装飾音符から始まるスラーとでは、異なるオプションが用意されています。