再生時のトリル

Dorico Elements はトリルを再生する際、用意されている場合はサンプリングされたトリルと、複数の音符の発音とを組み合わせて使用します。

演奏技法が VST エクスプレッションマップに定義されている場合、Dorico Elements は自動的にサンプリングされた半ステップ (半音) および 1 ステップ (全音) のトリルを再生します。これは HALion Symphonic Orchestra のインストゥルメントの多数に該当します。サンプルライブラリーにサンプリングしたトリルが提供されていない場合、またはトリルの音程が 1 ステップより大きい場合、Dorico Elements はトリルを生成します。

生成されたトリルを演奏するとき、Dorico Elements はトリルの直前および直後にある装飾音符を組み込んで再生します。トリルの開始音にスラッシュなしの装飾音符 1 つが付くとアポジャトゥーラの効果となる一方、複数の装飾音符が付くとトリルのパターンに一体化されます。トリルの直後の音符に付く装飾音符もまたトリルのパターンに一体化されます。

図: 開始位置と終了位置の両方に装飾音符が付いたトリル

トリル中の速さの変更は再生に反映されます。また、個々のトリルについても再生速度を変更できます。さらに、トリルの延長線における速さの変化指示を非表示にしつつ、再生における速さの変化は保持できます。

現代の演奏上の習慣では、トリルの演奏は通常記譜された音符から始まりますが、バロックと古典派時代の歴史的な演奏上の習慣では、トリルの演奏は通常上 (トリル先) の音符から演奏を開始します。トリルの開始音は個別に変更できます。