Loudness Meta Normalizer

Loudness Meta Normalizer 一括処理セットプラグインを使用すると、一括処理するすべてのファイルのラウドネスレベルを、ラウドネス比を一定に保ったまま変更できます。

Loudness Meta Normalizer プラグインはゲイン値を変更することで機能します。オーディオ圧縮は適用しないため、元の音質が損なわれることはありません。

Loudness Meta Normalizer は以下の目的に使用できます。

  • すべてのファイルに同じゲインを適用しながら、いずれのファイルでも指定したピークレベルを超えないようにします。クリッピングを防ぐため、必要な場合は、一括処理セット内のすべてのファイルを分析します。分析の結果、(ゲイン適用後に) クリッピングする可能性があるファイルは、ゲインの適用前に自動でレベルを減衰します。そのあと、一括処理セット内のファイルにゲインを適用します。

  • リファレンスファイルのラウドネスを特定の値に設定し、一括処理セット内の他のすべてのファイルのゲインレベルをリファレンスファイルに適用された量だけオフセットして、希望するラウドネスレベルを得ます。

Loudness Meta Normalizer 一括処理セットプラグインは、一括処理セットウィンドウの「メタパスプラグイン (Metapass Plug-ins)」パネルでのみ使用できます。

一番上の「ラウドネス (Loudness)」ポップアップメニューから以下のオプションのいずれかを選択します。

ラウドネスが最も高いオーディオファイルに一致 (Match loudest audio file)

すべてのオーディオファイルに同じ量のゲインを適用し、最もラウドネスの高いファイルのラウドネスレベルにできるだけ近付けます。

達成可能な最大のラウドネスに一致 (Match maximum achievable loudness)

指定したピークレベルを超えることなく、すべてのファイルの中で達成可能な最大のラウドネスレベルを検出したあと、すべてのオーディオファイルに同じ量のゲインを適用し、最大のラウドネスレベルに一致するようにします。

同じ特定のラウドネスを設定 (Set Same Specific Loudness)

すべてのオーディオファイルに特定の量のゲインを適用し、指定したラウドネス値にできるだけ近付けます。

指定したファイルのラウドネスを設定し、その他をシフト (Set Loudness of Named File, Shift Others)

1 つのファイルをリファレンスファイル、または⁠「マスター」⁠ファイルとして設定できます。このファイルは、下の「ラウドネス (Loudness)」入力フィールドで指定したラウドネス値に設定され、元の個々のラウドネスレベルに関係なく、同じ量のゲインがすべてのオーディオファイルに適用されます。

このオプションを選択すると、「マスターファイル名の一部 (Part of Master File Name)」を入力できる新しい入力フィールドが表示されます。プラグインがファイルを識別し、⁠「マスター」⁠ファイルまたはリファレンスファイルとして使用できるように、ファイル名の全体または一部を入力できます。

このオプションはステムマスタリングに特に適しています。

使用例:

以下のファイルがあるとします。

  • Main Mix

  • Drum Stem

  • Bass Stem

  • Guitar Stem

  • Keyboard Stem

「Main Mix」ファイルを⁠「マスター」⁠ファイルとして設定するには、ファイル名の全体または一部を入力します (⁠「mix」⁠や⁠「main」⁠など)。

補足

入力する名前の一部が一意であることを確認してください。たとえば、「Guitar Stem」を⁠「マスター」⁠ファイルとして設定する場合、⁠「stem」⁠と入力するだけではプラグインがファイルを特定できません。そのため、⁠「マスター」⁠ファイルは設定されません。

このオプションを使用すると、「Main Mix」ファイルを特定の値 (-18 LUFS Integrated Max など) に設定してから、すべてのステムファイルのラウドネスレベルに同じ量のゲインを自動的に追加できます。

「ラウドネス (Loudness)」入力フィールドには、一致させるラウドネス値を指定できます。たとえば、EBU R-128 標準の規定に準拠するには -23 LUFS とします。

「基準 (Reference)」ポップアップメニューから以下のオプションのいずれかを選択します。

ファイルの統合ラウドネス (File Integrated Loudness)

EBU R-128 標準に従い、標準の統合ラウドネス値を使用するすべてのファイルのラウドネス

ラウドネスレンジの上限 (Top of Loudness Range)

ラウドネスレンジ (LRA) のピーク、つまり、最もラウドネスの高いオーディオセグメントの平均ラウドネスレベル

補足

例外的に音量の大きい単一の音が結果に影響を与えないように、3 秒未満のオーディオセグメントのうち、最もラウドネスの高い 10% は計算から除外されます。

ショートタームラウドネス: 最大 (Maximum Short-Term Loudness)

ショートタームラウドネス分析の結果の最高値

以下の「最大ピークレベル (Maximum Peak Level)」オプションを選択できます。

  • デジタルピークを制御 (Control Digital Peaks)

    デジタル領域で測定されたピークを基準として、サンプル値を制限します。

  • トゥルーピークを制御 (Control True Peaks)

    アナログ信号をシミュレートすることで測定されたピークを基準として、再構築されたアナログサンプル値を制限します。

  • 最大ピーク (Maximum Peak)

    上限となる最大ピーク値を設定します。