プログラムチェンジとバンクセレクトについて

ご使用の MIDI音源に、特定のパッチ (プログラム) を選択するように「指示」するには、「プログラムチェンジ(Program Change)」メッセージを MIDI音源に出力/送信します。プログラムチェンジメッセージは、他のイベントと同じく、MIDIパートの中に記録、または入力できますが、MIDIトラックのインスペクターで、プログラムセレクターフィールドにプログラムチェンジ番号を入力しても、パッチを選択できます。この方法で行なえば、MIDIトラックがそれぞれ異なったサウンドを再生するように、すばやく設定できるようになります。

プログラムチェンジメッセージを使用した場合、128 の異なるパッチから選択できます。しかし、多くの MIDI音源には、さらに多くのパッチを備えています。これらを Nuendo 上で選択するには、MIDI コントロールイベントの「バンクセレクト」メッセージと組み合わせて選択する必要があります。バンクセレクトは、MIDI 音源に含まれる各パッチを複数の「バンク」に振り分け、1 つのバンクにつき最大 128 のプログラムを割り当てる方式です。ご使用の MIDI音源が、MIDIバンクセレクトをサポートしているならば、インスペクターの「バンクセレクト (Bank Selector)」フィールドでバンクを選択し、次に「プログラムセレクター (Program Selector)」フィールドで、そのバンクの中のプログラム (ナンバー) を選ぶことができます。

バンクセレクトメッセージを構成する方式は、MIDI音源の各メーカーによって異なり、そのため若干の混乱も生じ、サウンドを MIDIトラック上で正しく選択することが難しい場合もあります。また、最近の大部分の MIDI音源では、パッチに名前を付けて識別できるようになっています。それにもかかわらず、パッチを番号で選択するのは、実際わずらわしく感じられるかもしれません。

このことに対処するため、既存の MIDI音源の膨大なリストから、必要な音源のパッチ/プログラムの情報を選択し、取得することによって、あるいはユーザー自身で詳細な情報を与えることにより、接続して使用している MIDI音源のパッチ (プログラム) を、わかりやすく選択できる「MIDI デバイスマネージャー (MIDI Device Manager)」を備えています。使用している MIDI音源に対応する「MIDIデバイス」を Nuendo 上で指定すると、各 MIDIトラックから、特定の MIDIデバイスにルーティングできます。すると、トラックリスト、またはインスペクターで、その MIDI音源の中に含まれているパッチ名を表示できるようになり、パッチ (プログラム) 選択を行ないやすくなります。