VST System Link とレイテンシー

一般的なレイテンシーの定義は、あるシステムに送信されるすべてのメッセージに対して、そのシステムがそれに応答するまでにかかる時間です。たとえば、もし、レイテンシーの高いシステムで VST インストゥルメントをリアルタイムで演奏すると、キーを押してから VST インストゥルメントのサウンドが聞こえるまでに明らかな「遅れ」を感じることでしょう。現在では、ほとんどの ASIO 対応オーディオデバイスは、非常に低いレイテンシーで動作できます。同様に、すべての VST ホストアプリケーションも、再生中にレイテンシーを補正するように設計されています。これにより、再生のタイミングをぴったりと合わせることができます。

ただし、VST System Link によるネットワークのレイテンシータイムは、システム内のすべての ASIO 対応デバイスで発生するレイテンシーの合計になります。このため、ネットワーク内の各コンピューターにおけるレイテンシータイムを最小限にすることが特に重要になります。

重要

レイテンシーは同期自体には影響しません。VST Systen Link は常にぴったりと同期します。しかし、レイテンシーは MIDI やオーディオ信号の送受信タイミングやシステムの体感速度に影響することがあります。

システムのレイテンシーを調整するには、通常 ASIO コントロールパネルで「バッファーサイズ」 (Buffer Size) を調整します。バッファーサイズを小さくすると、レイテンシーも下がります。使用しているシステムで可能な限り低いレイテンシー (= バッファーサイズ) にしておくのが最良です。一般的には 12 ms (ミリ秒 : 1ミリ秒 = 1/1000 秒) 前後か、それよりもやや小さいくらいの値が適切でしょう。