VST System Link を使用する

VST System Link はデジタルオーディオによるネットワークの方法で、これにより、複数のコンピューターを同時に使用して、1 つの大規模なシステムを構築します。従来のネットワークと異なり、Ethernet カード、ハブ、あるいは CAT 5 の Ethernet ケーブルを必要としません。そのかわり、現在のスタジオで使用しているデジタルのオーディオデバイス、そしてケーブルを使用します。

VST System Link は、設定と操作が簡単でありながらも大きな柔軟性とパフォーマンスの向上が得られるように設計されています。実際には、「リング型」のネットワークにより (あるコンピューターから次のコンピューターへと、システムリンクの信号が渡され、結果的に最初のコンピューターに信号が戻る)、コンピューターを連携させることが可能です。VST System Link は、システムを構築する各コンピューターに、適切な ASIO 互換のオーディオデバイスを装備していれば、そのネットワーク信号を、S/PDIF、ADAT、TDIF、あるいは AES といった、あらゆるタイプのデジタルオーディオ形式、およびケーブル上で送信することができます。

複数台のコンピューターをリンクすると、以下のようなメリットがあります。

  • あるコンピューターがオーディオトラックを録音している間に、別のコンピューターを VST インストゥルメントの動作専用とすることができます。

  • 多くのオーディオトラックが必要な場合は、別のコンピューターにオーディオトラックを追加するだけで対応できるようになります。

  • プロセッサーに負担がかかりやすい (重い) Send エフェクトプラグイン専用の、「バーチャルエフェクトラック」として、1 台のコンピューターを用意することも可能です。

  • VST System Link は、異なるプラットフォーム上の、異なる VST System Link 対応ホストアプリケーションと接続できるため、他のアプリケーション、他のプラットフォームにある、エフェクトプラグインや VST インストゥルメントを併せて利用できるようになります。