ポストプロダクションスタジオにおけるオーディオレイバックの同期設定
このタスクについて
以下は、完成したオーディオを VTR に「レイバック」する大まかな操作ステップです。この例のシステム構成用に Nuendo を設定するには以下の手順で操作してください。
手順
- 前記の図のようにデバイスを接続します。
ビデオ同期信号とワードクロック信号が同じ装置 (ジェネレーター) から送信されるようにしてください。
- 「プロジェクト同期設定 (Project Synchronization Setup)」ダイアログを開き、「タイムコードソース (Timecode Source)」セクションで「ASIO オーディオデバイス (ASIO Audio Device)」または「MTC (MIDI Timecode)」を選択します。
使用しているオーディオデバイスによっては LTC リーダーが備わっていることがあります。それ以外の場合、Nuendo にタイムコードを取り込むには LTC - MTC コンバーターインターフェースを使用する必要があります。
- 「マシンコントロール出力先 (Machine Control Output Destina-tion)」セクションで「9 ピンコントロール (9-Pin Control)」の 1 か 2 を選択して、ダイアログを閉じます。
Nuendo のトランスポート用ボタンをクリックすると、9 ピン RS422 接続を経由して VTR にコマンドが送信されます。
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「スタジオ (Studio)」メニューから「9 ピンデバイス (9-Pin Device)」の 1 または 2 を選択します。
自動編集 (Auto Edit) 機能を使うと、デジタルオーディオ接続経由で VTR へのレイバックを行なえます。VTR に備わったデジタルオーディオトラックでは、標準で 48 kHz のサンプリングレートが使用されています。また、20 ビット以外のビット解像度を利用できないデバイスもあります。このため、最終的なターゲットの形式に合うよう、必要に応じて、あらかじめディザリングなどを行なっておく必要があります。
- 「ONLINE」ボタンをクリックします。
これで、デバイスパネルを使って VTR をコントロールできます。
- 9 ピンデバイスパネルを操作して、トランスポート機能をテストしてみます。
パネル内のトランスポート用ボタンをテストして、接続状態に問題がないか確認してください。
- ターゲットのオーディオトラックを録音可能状態にセットします。
ほとんどの業務用 VTR には 4 つのオーディオトラックがあります。HD (ハイデフィニション) VTR では多くの場合、サラウンド用の 6 チャンネルとステレオダウンミックス用の 2 チャンネルの合計 8 チャンネルが 1 本のテープで使用できます。
- プロジェクトを再生して VTR のメーターをチェックします。録音レベルが適切に設定されていることを確認してください。
これによってデジタルオーディオの接続状態が適切であるかどうかも確かめることができます。
- パンチイン、パンチアウトを行なう位置に左右のロケーターをセットします。
自動編集機能では、左右のロケーターを使って VTR の録音のイン/アウトポイントがプログラムされます。
- VTR のプリロール、ポストロールの時間が適切に設定されているか確認します。
一般的には、既定 (デフォルト) の設定値をそのまま使えば、パンチインまでに VTR が適切な速度に達するはずです。
- Nuendo のトランスポートパネルにある「SYNC」ボタンをオンにします。
これで Nuendo はタイムコードスレーブになります。VTR が再生をスタートすると、Nuendo は、入力されるタイムコードに同期します。
- 9 ピンデバイス (9-Pin Device) パネルの「自動編集 (Auto Edit)」ボタン (録音ボタンの右) をクリックします。
これで自動編集 (Auto Edit) のプロセスがスタートします。設定されているプリロールポジション (標準値は左ロケーター前 5 秒) にテープが達すると、再生がスタートします。左ロケーター位置に来ると、VTR が録音モードに入ります。
- 右ロケーター位置に達して VTR の録音モードがオフになったところで、自動編集が完了します。
VTR は右ロケーター位置を過ぎても再生を続け、設定されたポストロール時間 (標準値は 2 秒) が経過したところで停止します。