音符/休符のデュレーションの強制

Dorico SE は、その位置で有効な拍子記号と小節内の音符/休符の位置に応じて、自動的に音符/休符を適切に記譜し、連桁で連結します。音符/休符のデュレーションを強制して記譜記号を指定できます。

たとえば、6/8 の小節の最初に 2 分音符を入力すると、符点 4 分音符と 8 分音符がタイでつながれて記譜されます。これは、表記規則によれば、6/8 の小節が 8 分音符 3 つからなる 2 つのグループに分割されるためです。これを 2 分音符 (8 分音符 4 つ) に反映するために、Dorico SE は音符を自動的に分割して正しいグループを表示しますが、音符のデュレーションを強制して、かわりに 2 分音符を表示できます。

ヒント

たとえば、6/8 で 4 分音符のグループを 3 つ表示してヘミオラを表わすなど、譜表上のすべての音符のデュレーションを強制して別の拍子に見せたい場合は、それらの譜表だけに拍子記号を入力することで、その拍子に従って音符をグループ化することもできます。そのあと、必要に応じて拍子記号を非表示にできます。

手順

  1. 記譜モードで、以下のいずれかの操作を行ないます。
    • 音符の入力を開始します。

    • デュレーションを強制する音符を選択します。

      ヒント

      あとで音符をタイでつなぐ場合は、タイのつながりに入るすべての音符のデュレーションを強制することをおすすめします。

  2. デュレーションを強制された休符を入力するには、以下のいずれかの操作を行なって休符の入力を開始します。
    • [,] を押します。

    • 音符ツールボックスの「休符 (Rests)」 をクリックします。

  3. 以下のいずれかの操作を行なって、「デュレーションを強制 (Force Duration)」をオンにします。
    • [O] を押します。

    • 音符ツールボックスの「デュレーションを強制 (Force Duration)」 をクリックします。

  4. 使用する音符/休符のデュレーションを選択します。
    ヒント

    タイのつながりを、全体のデュレーションが同じ単一の符頭として表示するには、まずそれらのデュレーションを縮めたあと、任意のデュレーションに変更する必要があります。

  5. 音符/休符の入力中に、任意の音符または休符を入力します。

結果

音符/休符の入力中に入力した音符は、小節内の位置に関係なく、その音価全体を持つ音符として記譜されます。あとから音符を移動しても、同じ記譜記号が維持されます。休符は明示的な休符として入力されます。小節線をまたぐ音符はタイでつながれた音符として記譜されます。

既存の音符/休符のデュレーションを強制すると、現在のデュレーションもしくは変更したあとのデュレーションを保持します。

ヒント

デュレーションを強制して休符を入力すると、プロパティパネルの「音符と休符 (Notes and Rests)」グループにある「強制位置およびデュレーション (Force position and duration)」が自動的にオンになります。このプロパティを使用して休符のデュレーションと位置を強制することもできます。

1. 6/8 のデフォルトの記譜
2. 符尾が下向きの声部の音符を、デュレーションを強制して記譜したもの