「FM Osc」ページ

「FM Osc」ページには、FM オシレーターの設定があります。

プリセットメニューからは、「Pitch」「Filter」「Amp」などのパラメーターやモジュレーションなど、シンセシス構造の他の機能に影響を与えない純粋な FM オシレータープリセットをロードできます。モジュレーションを除けば、プリセットで DX7 のプログラムを再現できます。プリセットをそのまま使うこともできますし、静的なスペクトラムを作成して、たとえば、より古典的な減算法のサウンドデザインアプローチの出発点として利用することもできます。

概要

概要モードでは、ページには波形ディスプレイとグローバルパラメーターが表示されます。

波形ディスプレイはオシロスコープのように動作し、信号がエフェクトに入力される前のシンセシス構造全体の信号が表示されます。単音を発音することで合成から得られる波形を視覚化でき、ポリフォニックな発音を行なうとすべてのボイスの和を表示できます。

時間進行やスペクトラムの豊かさに関するプリセットを素早く変更するには、4 つのグローバル FM パラメーターを使用します。

Modulator Times Scale

モジュレーターとして動作する全オペレーターのレベルエンベロープ時間の全体的な長さを変更できます。こうすることで、周波数スペクトラムを変化させる全オペレーターを同時に調節できます。

Modulator Levels Scale

モジュレーターとして動作する全オペレーターの出力レベルを増減できます。こうすることで、周波数スペクトラムを変化させる全オペレーターを同時に調節できます。

Carrier Times Scale

キャリアとして動作する全オペレーターのレベルエンベロープ時間の全体的な長さを変更できます。こうすることで、サウンドのレベル曲線を定義するすべてのオペレーターエンベロープを同時に調節できます。

Global Feedback

すべてのフィードバック信号のグローバルな強度を調節できます。

最大表示

Waveform

オペレーターの波形を選択できます。

Skirt

フォルマント高調波曲線の下部のスカートの広がりを決定します。

  • 「All1」「All2」「Odd1」「Odd2」「Res1」「Res2」の波形については、値が大きいほどスカートの幅が広くなり、値が小さいほどスカートの幅が狭くなります。

  • 「Saw」「Saw Rounded」の波形については、「Skirt」はのこぎり波を下降するエッジから上昇するエッジに変化させます。

  • 「Square」「Square Rounded」の波形については、「Skirt」はパルス幅を矩形からパルスに変化させます。

補足

「TX81Z」「SY99」「Sine」「Noise」の波形では、このパラメーターは使用できません。

Resonance

「Waveform」「Res 1」または「Res 2」に設定されている場合、レゾナンスを追加できます。そのために、波のスペクトラムの中心周波数がより高い周波数にシフトされます。

  • 0 に設定すると、中心周波数は基本周波数と同じになります。

  • 99 に設定すると、中心周波数は 100 次高調波にシフトされます。

Key On Reset

このパラメーターを有効にすると、ノートが発音されるたびにオペレーターの位相がリセットされます。

Initial Phase

「Key On Reset」を有効にした際のオペレーター波形の開始位相を調節します。位相には 0 ~ 360° の値を設定できます。

比率周波数モード

Coarse

オペレーターの基本周波数を、発音されるノートの周波数の倍数として設定できます。

Fine

オペレーターのピッチを微調整できます。ステップサイズは、「Coarse」の設定に従い変化します。

得られた比率

「Coarse」「Fine」の設定から得られた結果が表示されます。

Detune

オペレーターのピッチを微妙にディチューンさせます。

固定周波数モード

Frequency

オペレーターに固定周波数を設定できます。

Detune

オペレーターのピッチを微妙にディチューンさせます。

Pitch Key Follow

演奏されるノートによってピッチがどのように変わるかを決定します。

  • 0 に設定すると、すべてのノートに「Coarse」「Fine」パラメーターで設定したピッチが適用されます。

  • 99 に設定すると、隣接するノートのピッチ差が半音単位になります。

Pitch Velocity Sensitivity

オペレーターのピッチがどのようにベロシティーに反応するかを決定します。

  • 正の値では、鍵盤を強く叩くほどピッチが上がります。

  • 負の値では、鍵盤を強く叩くほどピッチが下がります。

  • 0 に設定すると、ピッチは変化しません。

エンベロープディスプレイ

上部のグラフィカルエンベロープエディターには、異なるエンベロープレベルとエンベロープ時間を表わす固定のノードセットが用意されています。

Time

「Time」の値は、対応するレベルに到達するまでの時間を表わします。「Hold」パラメーターについては、エンベロープが開始レベルのまま留まっている時間を表わします。開始レベルは「Release Level」設定によって決まります。

Level

この値によりエンベロープのダイナミックレンジを小さくできます。このパラメーターには -96 ~ 0dB の値を設定できます。「Hold」パラメーターの「Level」値を変更すると、エンベロープの全レベルが指定した量だけシフトします。それぞれのレベルを個別にシフトするよりもずっと便利になります。オペレーターがモジュレーターである場合は、より明るいサウンドが得られます。

  • エンベロープを編集するには、エディター上でノードをドラッグします。

  • 選択したノードにより正確な値を入力するには、ディスプレイの下の「Time」「Level」の値フィールドを使用します。

    値フィールドには、小数点以下 2 桁までの数字を入力できます。ただし、カーブエディターで編集を行なう際は、値が整数に揃えられることに注意してください。

    値フィールドをクリックしてマウスホイールを使用すると、小数点以下を変えることなく現在の値を増減できます。

レベル増減パラメーター

各オペレーターの出力は、演奏された鍵盤に応じた増減を加えられます。「Breakpoint」には、出力レベルが変化しない鍵盤を設定します。「Breakpoint」の上下の鍵盤に対して、出力レベルをどのように増減させるか、両音域の「Depth」「Curve」で設定できます。

Key Level Curve Low

「Breakpoint」より下の鍵盤のレベルスケーリングのカーブを決定します。使用できるカーブタイプは線形、指数、対数です。

Key Level Depth Low

「Breakpoint」より下の鍵盤のレベルスケーリングのカーブの深さを決定します。

Key Level Breakpoint

レベルスケーリングカーブのピボットポイントを決定します。

Key Level Depth High

「Breakpoint」より上の鍵盤のレベルスケーリングのカーブの深さを決定します。

Key Level Curve High

「Breakpoint」より上の鍵盤のレベルスケーリングのカーブを決定します。使用できるカーブタイプは線形、指数、対数です。

エンベロープコントロール

Time Key Follow

エンベロープ全体の時間が演奏されるノートによってどのように影響されるかを決定します。

  • 0 に設定すると、演奏されるノートに関係なく、エンベロープ時間は変化しません。

  • 0 より大きい値では、高い音はエンベロープ時間が短くなり、低い音は長くなります。

Time Scale

エンベロープ全体の時間の長さを変更できます。

これにより、エンベロープの長さを変更するために個々の時間セグメントを編集する必要がなくなります。

「Time Scale」はデスティネーションとして利用できるため、たとえば「Velocity」「MIDI controller」などのモジュレーションソースを使用することで、エンベロープ全体の時間を制御できます。

Level Velocity Sensitivity

演奏されるベロシティーによってオペレーターの出力レベルがどのように影響されるかを決定します。

Pitch Envelope

レベルエンベロープに加えて、各オペレーターは基本的なピッチエンベロープも備えています。このエンベロープを使用すると、オペレーターチェーンごとに異なるピッチアタックを作成できます。これにより、たとえばブラスセクションのように、すべての奏者が同時に最終的なピッチに到達しない場合をシミュレートできます。

Init Level

エンベロープが開始される際のレベルです。

アタックタイム

「Attack Level」に到達するまでの時間です。

Attack Level

ノートを演奏するときエンベロープが向かう先のレベルです。

Decay Time

エンベロープがピッチの変化のないニュートラルなレベルまで下がるのにかかる時間です。