テキストトークン

テキストトークンは、プロジェクトに保存されたタイトル、作曲者、日時などの情報の代用として使用できるコードです。これにより、プロジェクトに誤った情報や古い情報を表示するリスクを減らすことができます。

たとえば、プロジェクトのタイトルにトークンを使用した場合、「プロジェクト情報 (Project Info)」ダイアログでプロジェクトタイトルを何度でも変更でき、そのたびにプロジェクト内のすべてのレイアウトのプロジェクトタイトルが自動的に更新されます。

トークンは「プロジェクト情報 (Project Info)」ダイアログの情報を参照でき、プロジェクト全体の情報を参照することも、フローごとの情報を個別に参照することもできます。また、現在の日時やプロジェクトが最後に保存された日時を参照することもできます。

補足
  • テキストトークンはテキストフレームでのみ使用できます。テキスト/組段テキストオブジェクトでトークンを使用することはできません。

  • フロートークンは、テキストフレームの上辺より下にある一番近いフローを参照します。フロートークンが含まれているテキストフレームの上部が組段内の最初の譜表の第 5 線に揃っているかそれより上にある場合、フロートークンはそのフローを参照します。

    {@flow2title@} のように、フロートークンが参照するフロー番号を指定することもできます。この場合、トークンの位置に関係なく、常に指定したフローが表示されます。

    タイトルページのように楽譜が含まれていないページでフロー情報を参照するトークンを使用するには、トークンでフロー番号を指定する必要があります。たとえば、楽曲フレームが含まれていないタイトルページで {@flowtitle@} を使用するとトークンは情報を表示しませんが、{@flow1title@} はプロジェクトの最初のフローのタイトルを表示します。

    各フローのフロー番号は、設定モードの「フロー (Flows)」パネルで確認できます。

Dorico Pro では以下のトークンを使用できます。

ヒント

カーソルがテキストフレーム内にある場合、コンテキストメニューから利用できるすべてのトークンにアクセスできます。コンテキストメニュー内のトークンはサブメニューにまとめられています。

1. 全般トークン

説明

トークン

ページ番号

{@page@}

プレーヤーリスト

{@playerlist@}

プレーヤー名

{@playernames@}

レイアウト名

{@layoutname@}

設定モードの「レイアウト (Layouts)」パネルで設定したレイアウト番号

{@layoutnumber@}

2. 譜表ラベルのトークン

音楽記号

トークン

現在のレイアウト内のプレーヤーの完全な譜表ラベル

{@staffLabelsFull@}

現在のレイアウト内のプレーヤーの省略された譜表ラベル

{@staffLabelsShort@}

たとえば、パートレイアウトの名前を表示する代替の方法として、パートレイアウトの最初のページの左上に表示されるデフォルトの {@layoutName@} トークンを使用するかわりに、譜表ラベルのトークンを使用できます。

補足

譜表ラベルのトークンは、最初の小節線の前に表示される表示ラベルの外観とまったく同じにはならない可能性があります。ただし、譜表ラベルのトークンには、譜表ラベルへの移調の表示方法に関するレイアウトごとのオプションが反映されます。

3. 音楽記号のトークン

音楽記号

トークン

フラット記号:

{@flat@}

シャープ記号:

{@sharp@}

ナチュラル記号:

{@natural@}

ト音記号

{@U+E050@}

フェルマータ (上)

{@U+E4C0@}

ヒント
  • このリストにはすべてのエントリーが含まれているわけではなく、トークン内にはあらゆる SMuFL 記号のコードポイントを入力できます。必要なコードポイントは、オンラインの SMuFL 仕様情報で確認できます。

  • テキストフレームに入力された音楽記号のトークンは、自動的に音楽テキストの文字スタイルを使用します。音楽テキストは、初期設定では Bravura Text に設定されています。

  • 「プロジェクト情報 (Project Info)」ダイアログのフィールドに音楽記号のトークンを含めることができます。たとえば、「タイトル (Title)」フィールドに「B{@flat@} メジャーの交響曲」と入力すると、対応するタイトルトークンを使用したテキストフレームに表示されるタイトルは「B メジャーの交響曲」となります。

4. プロジェクト/フロー固有の情報トークン

「プロジェクト情報 (Project Info)」ダイアログのフィールド

プロジェクトページのトークン

フローページのトークン

タイトル (Title)

{@projecttitle@}

{@flowtitle@}

サブタイトル (Subtitle)

{@projectsubtitle@}

{@flowsubtitle@}

献呈 (Dedication)

{@projectdedication@}

{@flowdedication@}

作曲者 (Composer)

{@projectcomposer@}

{@flowcomposer@}

編曲者 (Arranger)

{@projectarranger@}

{@flowarranger@}

作詞者 (Lyricist)

{@projectlyricist@}

{@flowlyricist@}

アーティスト (Artist)

{@projectartist@}

{@flowartist@}

写譜者 (Copyist)

{@projectcopyist@}

{@flowcopyist@}

出版社 (Publisher)

{@projectpublisher@}

{@flowpublisher@}

編集者 (Editor)

{@projecteditor@}

{@floweditor@}

著作権 (Copyright)

{@projectcopyright@}

{@flowcopyright@}

作品番号 (Work number)

{@projectworknumber@}

{@flowworknumber@}

作曲者の生没年 (Composer dates)

{@projectcomposerdates@}

{@flowcomposerdates@}

作曲年 (Composition year)

{@projectcompositionyear@}

{@flowcompositionyear@}

その他の情報 (Other information)

{@projectotherinfo@}

{@flowotherinfo@}

5. フローごとのトークン

フローごとのトークンの機能

トークン

設定モードの「フロー (Flows)」パネルでの位置に応じた、現在のフローのフロー番号

{@flownumber@}

現在のレイアウトでの位置に応じた、現在のフローのフロー番号

{@flowInLayoutNumber@}

小文字のローマ数字 (iii や xvi など) で表示された、現在のフローのフロー番号

{@flowNumberRomanLower@}

大文字のローマ数字 (III や XVI など) で表示された、現在のフローのフロー番号

{@flowNumberRomanUpper@}

現在のフロー内のこのページの番号 (最初は 1)

{@flowPage@}

現在のフロー内のページの総数

{@flowPageCount@}

指定したフロー⁠n⁠が始まる表示ページ番号 (例: {@flow3PageCount@})

{@flownPageCount@}

現在のフローのデュレーション (単位: 分および秒)

{@flowDuration@}

指定したフロー⁠n⁠のデュレーション (単位: 分および秒、例: {@flow3Duration@})

{@flownDuration@}

6. ページ番号のトークン

ページ番号のトークンの機能

トークン

レイアウト内のページの総数

{@pageCount@}

現在のフロー内のこのページの番号 (フローの最初のページを 1 とし、表示ページ番号のないページも含む)

{@flowPage@}

現在のフロー内のページの総数

{@flowPageCount@}

設定モードの「フロー (Flows)」パネルでの位置に応じた、指定したフロー ⁠n⁠ が始まるページの表示ページ番号 ({@flow5FirstPage@} など)

{@flownFirstPage@}

補足

トークン {@flowPage@} および {@flowPageCount@} には、そのトークンが使用されているページの左上角に一番近い楽曲フレームの最初の組段の開始位置で有効になっているフローのみが反映されます。

7. プロジェクトが最後にいつ保存されたかを表示する日時のトークン

日時の説明

日時の例

トークン

日時の標準文字列 (ロケールに依存)

12/31/17 11:10:12

{@projectdate@}

4 桁の西暦

2017

{@projectdateyear@}

西暦の下 2 桁

17

{@projectdateyearshort@}

月の正式名称 (ロケールに依存)

October

{@projectdatemonth@}

月の略称 (ロケールに依存)

Oct

{@projectdatemonthshort@}

月の 10 進数表記 (01 ~ 12)

10

{@projectdatemonthnum@}

曜日の正式名称 (ロケールに依存)

Friday

{@projectdateday@}

曜日の略称 (ロケールに依存)

Fri

{@projectdatedayshort@}

日付の 10 進数表記 (1 ~ 31)

24

{@projectdatedaynum@}

ISO 8601 形式の日付

2017-12-31

{@projectdateymd@}

月、日付、年

December 31, 2017

{@projectdatemdy@}

日付、月、年

31 December 2017

{@projectdatedmy@}

時刻表示 (ロケールに依存)

11:10:12

{@projectdatetime@}

時:分 (24 時間表記)

23:10

{@projectdatetimeHHMM@}

時:分:秒 (24 時間表記)

13:02:24

{@projectdatetimeHHMMSS@}

時 (24 時間表記)

23

{@projectdatetimehour24@}

時 (12 時間表記)

11

{@projectdatetimehour12@}

分の 10 進数表記 (00 ~ 59)

10

{@projectdatetimeminute@}

秒の 10 進数表記 (00 ~ 59)

44

{@projectdatetimesecond@}

8. 現在の日時を表示する日時のトークン

日時の説明

日時の例

トークン

日時の標準文字列 (ロケールに依存)

12/31/17 11:10:12

{@date@}

4 桁の西暦

2017

{@dateyear@}

西暦の下 2 桁

17

{@dateyearshort@}

月の正式名称 (ロケールに依存)

October

{@datemonth@}

月の略称 (ロケールに依存)

Oct

{@datemonthshort@}

月の 10 進数表記 (01 ~ 12)

10

{@datemonthnum@}

曜日の正式名称 (ロケールに依存)

Friday

{@dateday@}

曜日の略称 (ロケールに依存)

Fri

{@datedayshort@}

日付の 10 進数表記 (1 ~ 31)

24

{@datedaynum@}

ISO 8601 形式の日付

2017-12-31

{@dateymd@}

月、日付、年

December 31, 2017

{@datemdy@}

日付、月、年

31 December 2017

{@datedmy@}

時刻表示 (ロケールに依存)

11:10:12

{@datetime@}

時:分 (24 時間表記)

23:10

{@datetimeHHMM@}

時:分:秒 (24 時間表記)

13:02:24

{@datetimeHHMMSS@}

時 (24 時間表記)

23

{@datetimehour24@}

時 (12 時間表記)

11

{@datetimehour12@}

分の 10 進数表記 (00 ~ 59)

10

{@datetimeminute@}

秒の 10 進数表記 (00 ~ 59)

44

{@datetimesecond@}