Dorico プロジェクト

プロジェクトとは、複数のインストゥルメントとそれぞれの楽譜や再生設定など、必要なすべての音楽情報が含まれた個々のファイルのことです。

Dorico では、個別の楽譜の範囲のことを⁠フロー⁠と呼びます。アルバム内の 1 楽曲、ソナタや交響曲の 1 楽章、ステージミュージカルの 1 曲目、または数小節からなる短い音階練習曲や初見練習曲をフローとして作成できます。1 つのプロジェクトに複数のフローを含めることができ、フローごとにプレーヤーを自由に組み合わせることができます。たとえば、ある楽章で金管楽器のプレーヤーがタチェットになっている場合、そのフローからはそれらのプレーヤーを削除し、他のフローには残しておくことができます。

プレーヤーとは、インストゥルメントを持つ演奏者を指します。シングルプレーヤーとは、アルトサクソフォンも演奏するクラリネット奏者や、さまざまな打楽器を演奏する打楽器奏者など、1 つ以上のインストゥルメントを演奏できる 1 人のプレーヤーを指します。セクションプレーヤーとは、オーケストラのバイオリンセクションや合唱のソプラノセクションなど、全員が同じインストゥルメントを演奏する複数のプレーヤーを指します。セクションプレーヤーが持てるインストゥルメントは 1 つだけですが、Dorico Pro ではセクションプレーヤーを小規模なユニットや複数の譜表に分けることができます。

レイアウトでは、フローやプレーヤーの音楽コンテンツを組み合わせてページの形式設定を行ない、ページ番号付きの楽譜を作成できます。プレーヤーとフローを自由に組み合わせて、1 つのプロジェクト内にいくつでもレイアウトを作成できます。たとえば、ボーカルスコアのレイアウトにはリハーサル用のピアノプレーヤーを含め、フルスコアではピアノ譜を非表示にできます。各レイアウトは音楽コンテンツ (各インストゥルメントが演奏する音符など) を共有しますが、それぞれが個別のページ形式設定を持つ場合があります (組段区切りやページめくりが異なる場所にあるなど)。フルスコアレイアウトとパートレイアウトはデフォルト設定が異なります。たとえば、パートレイアウトには長休符が自動的に表示されますが、フルスコアには表示されません。