MusicXML ファイルから読み込まれた無音程打楽器

MusicXML では、無音程打楽器の楽譜はさまざまな方法で表現されます。どのデータを書き出すか、およびどのようにエンコードするかについて、楽譜作成アプリケーションによってそれぞれ方法が異なります。そのため、Dorico Elements に MusicXML を読み込んだときの結果にもかなりの差が生じます。

Dorico Elements はキットに含まれる各インストゥルメントを明確に識別し、動的に五線譜に組み込みます。他の楽譜作成アプリケーションとその MusicXML は、無音程打楽器の楽譜を異なる方法で表現します。たとえば、ドラムセットは実際にはピッチを持つ音符として五線譜上に記譜され、それぞれの譜表位置にどのインストゥルメントが対応するか識別するための注釈情報が追加されます。

このような方法の違いから、MusicXML による表現から Dorico Elements による表現に情報を移し替えることはときに困難であるため、Dorico Elements は読み込み結果の品質向上のためにヒューリスティクスを用います。

通常 Dorico Elements では、Sibelius および Finale から書き出された MusicXML ファイルのドラムセットのインストゥルメントは非常にきれいに読み込まれます。

たとえばスネアドラムは常に符尾が下向きの声部に記譜するなど、ドラムセットの声部の振り分けに一貫性がある場合は特に良い結果が出やすく、正しく読み込まれる見込みが高くなります。声部の振り分けが小節ごとに変わる場合、一部の音符が誤って識別されるか、まったく読み込まれていないかのいずれかである場合があります。

五線譜に記される他の種類の打楽器は、さらに多様な結果をもたらします。ほとんどの場合、Finale はどの打楽器がどの譜表位置にマッピングされるかの情報を含めますが、Sibelius はこれを行ないません。その結果、Dorico Elements が思ったとおりのインストゥルメントを選択しない場合もありますが、「打楽器キットを編集 (Edit Percussion Kit)」ダイアログを使用するとインストゥルメントを変更できます。