白黒とカラーのグラフィック処理

Dorico Elements では、白黒とカラーのグラフィックの書き出し時に異なる設定が適用されます。グラフィックファイルの用途によって、最適な設定が異なります。

多くの楽譜は白黒のため、黒インクのみを使用し、通常は白または白に近い色の紙に印刷します。一部の教則本では、音部記号を分類する、ピッチに従って音符に色を付けるなど、特定の記譜を強調するためにカラーを使用する場合があります。グラフィックファイルを書き出して、手元のプリンターで印刷する場合、「出力先 (Destination)」セクションで「カラー (Color)」を選択したままにできます。

しかし、グラフィックファイルを PDF 形式で書き出して、プレートセッターで直接印刷したり、ページレイアウトプログラムでさらに制作作業を行なったりする場合は、レイアウトにカラーまたは不透明度が設定された要素が含まれていなければ、「白黒 (Mono)」を選択します。「白黒 (Mono)」を選択すると、Dorico Elements では印刷するイメージに確実に黒インクのみが使用されるよう、別のカラースペースを使用して PDF が書き出されます。「カラー (Color)」を選択すると、レイアウトの黒の要素をリッチブラックとして書き出します。その結果、黒は複数のカラーインクを掛け合わせて作成されます。これにより、プリプレス段階で色分解を行なう際、制作物に問題が発生する可能性があります。

Dorico Elements では、プレートセッターやその他の業務用印刷機械で使用されている CMYK カラーモデルではなく、RGB カラーモデルを使用してカラーが指定されます。レイアウトにカラーオブジェクトがあり、レイアウトを業務用として印刷する場合、Dorico Elements から別のグラフィックアプリケーションに書き出されたグラフィックファイルをポストプロセスして、RGB から CMYK に変換する必要があります。