選択された ASIO ポートをデータ専用に使用する

VST System Link で一度に大量の MIDI データを送信すると、VST System Link ネットワークの標準的なデータ帯域幅では足りなくなる可能性がわずかにあります。帯域幅が不足すると、データが途切れたりタイミングが不適切になったりします。

こうした不具合が生じた場合、「スタジオ設定 (Studio Setup)」ダイアログ「VST System Link」ページにある「選択 ASIO ポートをデータ専用 (Use Selected ASIO Ports for Data only)」をオンにすると、MIDI データに割り当てる帯域幅を大きく広げることができます。この項目がアクティブになっていると、VST System Link ポートの MIDI データは 1 ビットではなく、そのオーディオチャンネルをフルに使って送信されます。これは、実際に使用する可能性のある MIDI データをすべて伝送するとしても十分な余裕がある帯域幅です。ただし、この場合はそれと引きかえに、該当するチャンネルをオーディオの伝送に使用することはできなくなります (このチャンネルは決してスピーカーに接続しないでください)。このため、ADAT で接続する場合は 7 チャンネルだけが使用可能になります。使用状況や環境によって事情は変わりますが、この長所と短所の関係は「トレード条件」として十分に実用的でしょう。