Instructor

Instructor は特殊なユーティリティープラグインであり、一括処理内の次のプラグインに、処理対象のオーディオに関する情報を教えることができます。このプラグインは、処理時点では使用できない分析段階を必要とするモノパスプラグインを使用する場合に役立ちます。

Instructor プラグインは、モノパスプラグインを事実上、デュアルパスプラグインに変える働きをします。DeNoiser や DeBuzzer などの一部のモノパスプラグインは、正確な処理を行なうために、処理するオーディオの情報を必要とします。Instructor プラグインはこのような場合に、オーディオチェーン内の次のプラグインに対して処理対象のオーディオについて教えることができます。

Instructor プラグインは 2 つ 1 組で使用する必要があります。

  1. 最初のインスタンスがオーディオストリームの開始部分を複製します。これにより、チェーン内の次のプラグインは、オーディオストリームの開始部分を 2 度受け取ることになります。

  2. プラグインの 2 つめのインスタンスは、情報を受け取るプラグインのあとに配置します。このインスタンスは、Instructor プラグインの最初のインスタンスによって挿入された余分なオーディオを削除します。

これにより、たとえば DeNoiser プラグインは、2 つめのストリーム開始部分が挿入される前にオーディオストリームを十分に分析する時間を確保できます。ストリームのうち、適切に処理されなかった最初の部分は、Instructor プラグインの 2 つめのインスタンスによってスキップされます。

オーディオの複製時間は最長 20 秒まで設定できます。

補足

複製時間は、一括処理内の最も短いファイルよりも短く設定してください。最も短いファイルよりも長い秒数を設定すると、Instructor プラグインの 2 つめのインスタンスにより、その短いファイルが切り捨てられてしまいます。

このモノパスプラグインは、一括処理セットウィンドウ専用です。



ストリームの開始部分を複製する (Replicate Stream Start)

オーディオストリームの開始部分が、次のプラグインに 2 度挿入されます。この操作は、Instructor プラグインの最初のインスタンスに対して選択する必要があります。

ストリームを逆にする (Reverse Stream)

この項目をオンにすると、最初に、ストリームの開始部分がサンプルの逆順に挿入され、次に通常のサンプル順に挿入されます。これは、スペクトラム分析の観点では何も効果がありませんが、繰り返しのストリーム間の移行が向上します。

ストリームの開始部分を削除する (Trim Stream Start)

オーディオストリームの開始部分がスキップされます。この操作は、Instructor プラグインの 2 つめのインスタンスに対して選択する必要があります。

時間 (デュレーション) (Duration)

複製またはスキップするオーディオの長さを指定します。