信号レベルの増加時におけるクリッピングの防止

プラグインにより、信号レベルが増加することはよくあります。注意を怠ると、一括処理が終了したときにファイルのサウンドが歪んでいる場合があります。これを防ぐために、「Level Normalizer」マルチパスプラグインの「クリッピング時のみ補正 (Only if Clipping)」項目を使用できます。

WaveLab Pro では 64 ビットの内部処理を使用しているため、オーディオストリーム内で信号が 0dB (フルレベル) を超えて増幅されても問題はありません。十分なヘッドルームがあるため、信号はクリッピングしません。ただし、0dB を超える信号が一括処理セットの出力で 16 ビットファイルに変換されると、クリッピングが発生します。

この問題を解決するために、「Level Normalizer」 エフェクトを信号チェーンの最後に挿入できます。Level Normalizer は、必要に応じてレベルを上下させ、信号がファイルに変換される直前に、信号のピークを指定した値に正確に調整します。この処理は、「クリッピング時のみ補正 (Only if clipping)」がオンになっていない場合でも便利です。

クリッピングを防止するだけの目的で 「Level Normalizer」 を適用する場合には、「クリッピング時のみ補正 (Only if Clipping)」をオンにします。この項目をオンにすると、信号の出力が下がることはありますが、プラグイン内での増幅によってオーディオでクリッピングが発生するのを防げます。

このため、歪みを一切発生させないリミッターとして、「Level Normalizer」 を使用できます。

ビット解像度を下げる場合は、Level Normalizer プラグインのあとにディザリングプラグインを追加します。