クリップのダッキング

ダッキングとは、あるクリップのレベルまたはセンドエフェクトを、別のトラックまたはチャンネルに信号が存在する場合に変更することです。ダッキングエフェクトは、隣り合う 2 つのトラックにあるクリップ間で作成できます。

「ダッキング (Ducking)」オプションを使用すると、隣り合うトラックに他のクリップが存在する場合に、ダッキングが発生します。

ダッキングの典型的な使用例は、音楽トラックの別のトラックにボイスオーバーでコメントを入れる場合です。コメントのボイスが開始するときは常に、自動的に作成されるレベルエンベロープカーブによって、音楽トラックのレベルが特定のレベルで下げられます。

また、クリップにルーティングされるエフェクトエンベロープのダッキングエフェクトを作成することもできます。クリッププラグインにはそれぞれ個々のエンベロープがあります。エンベロープをいちばん下まで下げると、ウェット信号だけが適用されます。エンベロープをいちばん上まで上げると、処理された信号/ウェット信号が最大になります。

補足
  • クリップのダッキングは、クリップの変調とは別のものですが、コンセプトは同じです。クリップのダッキングの方が柔軟性は高いですが、より多くの手動調節が必要です。

  • ダッキングの基準となるクリップは、ダッキングさせるクリップの時間領域内に配置する必要があります。

  • ダッキングの基準となるクリップに無音部分が含まれる場合、ダッキングは正常に機能しません。この場合、無音部分が含まれないように、各フレーズを個別のクリップに編集する必要があります。

  • 「ダッキング (Ducking)」を実行した場合、ダッキングは一度に 1 つのクリップにだけ適用されます。たとえば、音楽が複数のクリップを継ぎ合わせて作られている場合、ボイスオーバーのクリップによってダッキングされるのは 1 つのクリップだけです。この問題を解決するには、クリップごとにこの機能を繰り返し実行するか、マスターセクション「レンダリング (Render)」機能を使用して、別々のクリップから (1 つの) 特定のファイルを作成し、オーディオモンタージュに新しいクリップとして再読み込みします。