短いグレインを使用してサウンドを作成する

非常に短いグレインから、特定のピッチを持つサウンドを生成できます。そのため、明確なピッチを持たないドラムループなどのサンプルやサウンドエフェクトから、ピッチのあるサウンドを抽出することもできます。

手順

  1. ⁠Padshop/02 Waveforms⁠フォルダーから⁠Pure Sine⁠サンプルを選択します。

    完全なサイン波がロードされます。

  2. ノートを発音します。

    単一のグレインストリームが聴こえます。

  3. 「Duration」を 1 に設定します。

    グレインのデュレーションはサウンドのピッチを決定します。「Duration」設定を 1 に、「Duration Key Follow」を +100% に設定すると、サウンドはキーボードで演奏したピッチで再生されます。「Duration」を 2 に設定すると、グレインのデュレーションが 2 倍になるためピッチが 1 オクターブ下がります。サウンドのピッチは、グレインのデュレーションが長くなるほどオリジナルサンプルのピッチに影響されます。

  4. ノートを発音しながら「Shape」パラメーターを調節し、増幅変調を確認します。

    グレインの波形は、サンプル内でグレインとして再生される部分の振幅を決定します。これは、1 つの信号 (モジュレーター) が別の信号 (キャリア) の振幅を決定する増幅変調に似ています。ここでは、サンプルがキャリアでグレインがモジュレーターです。増幅変調によって、キャリア信号の各正弦波成分にサイドバンドが追加されます。したがって、サンプルが複雑であるほどサイドバンドも多くなります。

  5. ノートを発音しながら「Formant」パラメーターの値を上げます。

    フォルマントはスペクトラム内で強調される周波数のグループです。パラメーターの値を上げると、スペクトラムのフォルマントが高くなることがわかります。グレインのデュレーションは変わらないため、サウンドのピッチはそのままです。波形ディスプレイを見ると、「Formant」を高く設定するほどグレインで再生されるサンプルの部分が長くなることがわかります。

  6. ノートを発音しながら「Length」パラメーターの値を下げます。

    「Length」パラメーターには「Formant」パラメーターと似た効果があります。「Length」の値を下げると、グレインは短くなりますがグレインが反復する時間は変わりません。したがって、サウンドのスペクトラムのみが変化し、ピッチは変わりません。

  7. モジュレーションマトリクスを開き、たとえば、デスティネーションに「Grain Formant」または「Grain Length」を選択し、モジュレーションソースに「Filter Env」「LFO 1/2」などを選択します。

    サウンドに臨場感が加わります。

  8. モジュレーションデプスを調節して結果を確認します。
  9. より複雑なサンプルで設定を試してください。
  10. 波形をクリックしてグレインの再生位置を変更します。これに応じてスペクトラムが変化します。
  11. フィルター、エンベロープ、およびエフェクトの設定を任意に調節し、サウンドをプリセットとして保存します。
    ヒント

    初期ライブラリーに収録されている⁠Formantor⁠プリセットは、短いグレインを使って作成されたパッドサウンドの好例です。