交差する声部の作成

たとえば、声楽などの楽譜で、1段の譜表の中で上声部と下声部が交差する場合があります。これは、符尾の向き、声部の移動、その他の設定を手動で行なうことによって可能ですが、さらに手早く実現できる方法があります。以下の例で説明します。ただし、ここでは多声部化機能を使用しません。

手順

  1. 「スコア設定 (Score Settings)」の「譜表 (Staff)」を開いて、「ポリフォニック (Polyphonic)」タブを選択します。
  2. 「譜表モード (Staff Mode)」ポップアップメニューから、「ポリフォニック (Polyphonic)」を選択します。
  3. 声部1、2だけをアクティブにします。そして、下図の様に設定を行ないます。
  4. 「適用 (Apply)」をクリックします。

    「ポリフォニック (Polyphonic)」モードの譜表になりますが、すべての音符はまだ同じ声部にあります。

  5. 「スコア (Scores)」メニューを開き、「機能 (Functions)」サブメニューから「声部の振り分け (Explode)」を選択します。
  6. ダイアログが現れます。「ポリフォニック声部へ移行 (To Polyphonic Voices)」を選択し、さらに「ラインを各トラックに (Lines To Tracks)」にチェックマークを付けます。

    その他のオプションはオフにします。

  7. 「OK」をクリックします。

    音符が2つの声部に分けられます。しかし、小節の後半にある声部1の音符は、本来声部2です。声部2の音符も、本来はやはり声部1です。

  8. 声部2に移動したい声部1にある2つの音符を選択します。
  9. 声部2に音符を移動します。

    [Ctrl]/[command] を押しながら、拡張ツールバーの声部ボタン「[2]」をクリックするのが最も簡単な方法です。

  10. 声部2にある、声部1に移動したい2つの音符を、同様に移動します。

    すべての音符が適切な声部に置かれます。

結果

両声部の表示を適切にするためには、符尾の向きも設定します。また、音符の表示上の位置および符尾と連桁の表示についても、調整する必要があるでしょう。調整を行なうと、たとえば以下のような楽譜になります。