プルダウンと速度変更

プルダウンは、フィルムのフレームレートの速度を速くするための、フレームレート変換アルゴリズムです。

フィルムをビデオに変換する場合、24fps のフレームレートを 25fps (PAL/SECAM 方式) または 29.97fps (NTSC 方式) に変換する必要があります。このプロセスでは、異なるフレームレート間の数学的な関係に合わせてわずかに速度を変更します。フィルムを NTSC 方式に変換する場合、2-3 プルダウンを行なってフィルムを 23.98fps で再生することで、2 対 3 の正確な関係を維持します。その結果、NTSC 方式のテレビではフィルムは 0.1% 遅く再生されます。

このような速度の変更は、フィルムと一緒に録音されたオーディオにも適用する必要があります。これにより、オーディオと映像の同期が維持されます。場合によっては、速度の変更がフィルムの変換と同時に適用され、ビデオテープに直接記録されることがあります。この場合、ビデオエディターはオーディオを聴きながら変換されたビデオを編集できます。

ただし、速度を変更するとピッチも変化します。また、オーディオにノイズが発生する場合があります。これは、フィールドレコーダーからビデオテープに直接デジタル変換する場合、サンプリングレート変換またはアナログ変換のいずれかが必要となるためです。

したがって、ほとんどのオーディオエンジニアは、フィルムのオーディオ作業ではオリジナルのソース素材を使用することを好みます。いったんオリジナルのオーディオをデジタル変換して Nuendo に取り込んだら、オーディオとビデオの同期を維持するために速度の変更を補正する必要があります。 Nuendo では、このような速度の変更をオーディオまたはビデオに個別に適用できます。