Expander

設定したスレッショルドより低い信号の出力レベルを、入力レベルに対して相対的に減衰します。ダイナミックレンジを増幅する場合や、静かなパッセージ内のノイズを低減する場合に便利です。

左側のグラフィックコントロールはエキスパンダー曲線を表わしています。このコントロールのハンドルを操作すると「スレッショルド」「レシオ」の値を編集できます。入/出力メーターは拡大前と後のレベルを表示します。ゲインリダクションメーターは現在のレベル減衰を表示します。

Threshold

スレッショルドを設定します。スレッショルドよりも静かなサウンドのゲインを下げます。スレッショルドよりも大きいサウンドは処理されません。

Ratio

スレッショルドよりも小さなサウンドについてゲインを下げる圧縮率を設定します。この比率が大きいほど音が圧縮されて出力が小さくなります。たとえば、比率を 2:1 に設定していてサウンドのボリュームがスレッショルドよりも 4dB 小さい場合、出力は 2dB 下がります。サウンドのボリュームがスレッショルドよりも 8dB 小さい場合、出力は 4dB 下がります。

Soft Knee

このボタンがオフの場合、スレッショルドよりも大きい信号は設定した比率に基づいてただちに圧縮されます。「Soft Knee」がオンの場合、エキスパンダーのかかり始めがより緩やかになり、やわらかい処理結果を得られます。

Attack

サウンドがスレッショルドを下回ったときにエキスパンダーがゲインを低減しはじめる速さを設定します。アタック時間が長くなるほど、ゲインを低減するまでの時間が長くなります。

Hold

サウンドがスレッショルドを下回ったあとにエキスパンダーを適用する時間を設定します。

Release

サウンドがスレッショルドを超えたあとにエキスパンダーエフェクトがゲインを上げるまでの速さを設定します。リリース時間が長くなるほど、ゲインを上げるまでの時間が長くなります。

補足

このパラメーターは「Auto Release」ボタンをオンにしていると使用できません。

Auto

オンにするとリリースタイムが自動的に設定されます。エキスパンダーが継続的に入力を分析して最適な設定を求めます。

Peak/RMS

入力信号をピークと RMS のどちらで分析するか、あるいは両方を組み合わせて分析するかを設定します。0% に設定するとエキスパンダーはピーク感知のみを行ない、100% では RMS 感知のみを行ないます。ピークとはエキスパンダーがサウンドのピークレベルを直接感知することを意味します。RMS とはエキスパンダーがサウンドの平均出力を感知することを意味します。ピーク感知は RMS 感知よりも速い速度で行なわれます。一般的にピーク感知は瞬間的なサウンドに、RMS 感知は持続したサウンドに用いられます。

Live

このボタンをオンにすると、エフェクトの先読み機能が無効になります。先読みが有効な場合、より正確な処理が可能になりますが、一定量のレイテンシーが発生するというデメリットもあります。「Live」モードをオンにするとレイテンシーが発生しないため、ライブの処理に適しています。