演奏技法

⁠演奏技法⁠という言葉は、演奏者が演奏する音符のサウンドに修飾を加えることを伝えるためのさまざまな指示を意味します。演奏技法の例としては、アンブシュアの変更や弓の位置の変更、または楽器にミュートを付けたりペダルを踏み込んだりすることなどがあります。

Dorico SE には、以下のタイプの演奏技法があります。

グリフの演奏技法

上げ弓 や下げ弓 などの記号を表示する演奏技法です。

テキストの演奏技法

pizz.con sordino などのテキストを表示する演奏技法です。

利用できる演奏技法はすべて記譜モードの演奏技法パネルに、インストゥルメントのファミリーごとにまとめられています。たとえば、ペダル線は演奏技法パネルの「キーボード (Keyboard)」のセクションで確認できます。

補足

ペダル線にはリテイク、開始記号、延長線など、他の演奏技法にはない固有の追加指示があるため、それらは別個に記載されています。またペダル線は、プロパティパネル内に「演奏技法 (Playing Techniques)」のグループから分かれた独自のグループを持ちます。

1. Dorico SE で使用できる演奏技法の一部

演奏技法によってインストゥルメントの再生が変化します。たとえば、pizz. の演奏技法をバイオリンの譜表に追加すると、VST インストゥルメントが鳴らすサウンドを変化させるキースイッチがオンになります。Dorico SE では、サウンドライブラリーに対応するサンプルが含まれていれば、入力した演奏技法の再生に必要なサウンドが、再生効果を使用して生成されます。

楽譜に一度しか表示されない演奏技法には、それが継続することを意味するものも多数あります。たとえば、ピチカートは通常一度しか表示されませんが、アルコなど次の演奏技法の位置まで適用されます。Dorico SE では、それがどの音符まで適用されるか演奏者に明確に伝えるために、演奏技法のあとや演奏技法間に延長線を表示できます。また、複数の演奏技法を 1 つのグループにまとめることもできます。

演奏技法のテキストはプレーンフォントを使用し、強弱記号や表現テキストと見間違えないよう太字も斜体も使用しません。

補足

ペダル線は他の演奏技法とは別のフォントスタイルを使用します。