調号

調号は、スケールのどの音符にシャープまたはフラットが付くか示すことにより、現在の楽譜のキーを表示する記号です。調号は各組段の適用されるすべての譜表の開始位置に表示されます。

伝統的に、臨時記号は 5 度圏 (サークルオブフィフス) のパターンに従って、シャープを使用する調とフラットを使用する調でそれぞれ異なる形に並べられます。

調号を使用すると、楽譜のどの音符が通常シャープやフラットになるか各組段の開始位置にひとまとめにして表示でき、音符が出現するたびに臨時記号を横に付ける必要がなくなるため、スペースを節約できます。

調号を入力すると、それ以降に入力するすべての音符がその調号に従います。たとえば、G メジャーの調号を入力したあとで [F] を入力すると、自動的に F が入力されます。

A マイナーやオープンキーの調号など、臨時記号が表示されない調号はガイドで表示されます。

Dorico SE では、ティンパニやホルンのように通常は調号を持たないインストゥルメントには「調号なし (No key sig)」バージョンがあり、このバージョンのインストゥルメントには調号が表示されません。インストゥルメントを追加または変更する際は、インストゥルメントピッカーから適切なインストゥルメントタイプを選択できます。

調号のないフローは、A マイナーや C メジャーではなく、オープンキーの調号または無調の調号が適用されているかのように扱われます。

初期設定では、調号はすべての譜表に適用されます。しかし、多調音楽など、状況によっては一部のパートがアンサンブル中の他パートとは異なる、独自の調号を必要とする場合があります。Dorico SE では、すべての譜表に適用される調号も、1 つの譜表だけに適用される調号も入力できます。

Dorico SE では、調号はプロジェクトを包括する調性システムの一部です。Dorico SE で標準的に使用される調性システムは 12-EDO のみです。

補足
  • 調号は、音符のピッチに関する欠かせない情報を担っているため、非表示にはできません。調号を表示させない場合、オープンキーの調号を入力するか、フローまたはプロジェクトからすべての調号を削除します。

  • スコアに移調楽器がある場合、複数の調号を同じ位置に入力する必要はありません。Dorico SE はインストゥルメントの移調を自動で管理します。