ハーモニクス

ハーモニクスとは、振動している弦の特定の位置に触れ、対応する倍音を鳴らすことで作り出されるピッチのことです。多くの場合、ハーモニクスは弦を押さえて出す音よりもピッチが高く、透明感のある澄んだ音になります。ハーモニクスには、ナチュラルとアーティフィシャルという 2 つのタイプがあります。

倍音には、倍音列内の順序に応じて番号が振られており、この番号は倍音を作り出す弦の節にも関連しています。たとえば、倍音列内の第 2 倍音は弦の中間の節、つまり弦をちょうど 2 つに分割する節に触れることで作り出されます。同じように、第 3 倍音は弦を 3 つに分割する節に触れることで作り出されるといった具合です。

ナチュラルハーモニクス

ナチュラルハーモニクスは、開放弦のいずれかの節に触れ、弦を弓で弾くか指ではじくことで作り出します。作り出されるハーモニクスの発音上のピッチは、倍音列内の対応する倍音と節によって異なります。たとえば、弦の中央の節に触れると第 2 倍音が作り出され、開放弦のピッチの 1 オクターブ上の音が鳴ります。

アーティフィシャルハーモニクス

アーティフィシャルハーモニクスは、(標準の音符を演奏するように) 弦を完全に押さえてから、押さえた弦のいずれかの節に触れることで作り出します。作り出されるハーモニクスの発音上のピッチは、倍音列内の対応する倍音と節によって異なります。たとえば、押さえるピッチの 4 分の 1 上に相当する節に触れると第 4 倍音が作り出され、押さえるピッチの 2 オクターブ上の音が鳴ります。

アーティフィシャルハーモニクスを作り出すには、弦を完全に押さえたうえで、その弦の正しい節に触れる必要があります。アーティフィシャルハーモニクスは、ナチュラルハーモニクスよりも作り出すのが難しい場合があります。

1. 2 弦でアーティフィシャルハーモニクスとナチュラルハーモニクスを交互に演奏するバイオリンの楽節
2. 同じ楽節の発音上のピッチ

Dorico Pro は、弦楽器およびフレット楽器のハーモニクスを記譜するための複数の表記規則をサポートしています。これには、ナチュラルハーモニクスとアーティフィシャルハーモニクスの両方が含まれます。標準と菱形の 2 つの符頭で表わされるアーティフィシャルハーモニクスの場合、第 2 倍音から第 6 倍音に対して記譜する触れるピッチの菱形の符頭の正しいピッチが自動的に計算されます。これらのピッチは、対応する再生デバイスにハーモニクス専用のサウンドが含まれている場合、それらのサウンドが再生に反映されます。