グリッサンドライン

グリッサンドは 2 つの音符の間の継続的な音程の移行を示し、これはなめらかな移行と半音階による移行、いずれの場合もあります。これは直線と波線のいずれかで表わされ、指示のテキストが付く場合と、テキストが付かない線だけの場合があります。

グリッサンドは符頭の間に配置されるため、その角度は音符間の音程差を反映します。角度が急であるほど、音程差も大きくなります。

グリッサンドとポルタメントの演奏技法に関しては、さまざまな表記規則が存在します。グリッサンドは上昇下降いずれかに向かう半ステップ (半音) の連続による 2 音間の半音階スケールを示し、ポルタメントは 2 音間でなめらかに途切れなく音程を滑らせることを示すと理解される場合もあります。ただし、グリッサンドとポルタメントという言葉は、状況が異なれば意味が入れ替わって使用される場合もあります。

Dorico Pro では、グリッサンドとポルタメントの両方を入力でき、入力後でも容易にスタイルを変更できます。

Dorico Pro のグリッサンドラインは両端の音符を自動的に追従します。つまり、各音符のピッチを変更すると、それに応じてグリッサンドラインの両端の位置が移動します。Dorico Pro はグリッサンドが臨時記号と重ならないよう自動的に配置します。

1. テキストと波線で示されたグリッサンドの例
2. テキストと直線で示されたポルタメントの例

グリッサンドは組段区切りやページ区切りをまたぐことができます。組段区切りやページ区切りをまたぐグリッサンドにテキストが表示される場合、テキストはグリッサンドのそれぞれの部分に表示されます。初期設定では、分割された各部分の開始位置と終了位置は、グリッサンド全体の本来の開始位置と終了位置に一致します。

Dorico Pro では、「浄書オプション (Engraving Options)」「グリッサンド (Glissando Lines)」ページで、グリッサンドのデフォルト位置の詳細な調整を行なえます。個々のグリッサンドの開始位置または終了位置も、浄書モードで移動できます。