アイテムの表示位置の移動

各アイテムは、リズム上の位置や連結された音符を変更することなく、その表示位置を移動できます。これにより、たとえば特定のページの個別のアイテムの位置にオフセットを加えるとき、別の同タイプのアイテムを移動させたり、「浄書オプション (Engraving Options)」で設定したデフォルト位置を変更したりせずにすみます。 この操作は現在のレイアウトとフレームチェーンのみに対して、もしくはすべてのレイアウトとフレームチェーンに対して行なえます。

テンポ記号や組段に付くテキストなど、組段オブジェクトの個々のインスタンスは、異なる譜表位置に表示されるその他のインスタンスと関係なく個別に移動できます。段階的強弱記号やオクターブ線などデュレーションを持つアイテムについても、それぞれの終端を個別に移動することで、表示上の長さと角度を調整できます。

補足
  • これらの手順は、テキストフレーム内のテキスト、譜表上に表示される臨時記号、音符、音部記号、小節線、調号、拍子記号には適用されません。

  • 一部のアイテムやハンドルは、特定の方向にしか移動できません。たとえば、アーティキュレーションは上下に移動できますが、左右には移動できません。同様に、オクターブ線の終了ハンドルは左右にしか移動できません。マウスを使用する場合、ギターベンドまたはビブラートバーのダイブとリターン全体は上下にしか移動できません。個々の歌詞は上下に移動できませんが、歌詞のラインは組段ごとで上下に移動できます。

前提

  • 浄書ツールボックスで「グラフィックの編集 (Graphic Editing)」 「グラフィックの編集 (Graphic Editing)」ボタン を選択しておきます。

  • ローカルのプロパティ変更に関して、適切なプロパティ範囲を選択しておきます。

手順

  1. 浄書モードで、移動させる以下のいずれかのアイテムを選択します。
    • アイテム全体、または組段区切り/フレーム区切りをまたぐアイテムの部分

    • 数字付き低音のホールドの線や歌詞の延長線などのアイテムから伸びるライン

    • アイテムの個別のハンドル

    ヒント
    • 選択したアイテムだけではなく、すべてのアイテムにハンドルを表示するには、「浄書 (Engrave)」 > 「ハンドルを表示 (Show Handles)」 > 「常時 (Always)」を選択します。これにより、複数のアイテムの個々のハンドルを選択するのがより簡単になります。

    • [Tab] を押して、選択したアイテムのハンドルを順に切り替えられます。

  2. 以下のいずれかの操作を行なって、選択したアイテムを移動します。
    • アイテムを標準的な幅で上下左右に移動するには、[Alt/Opt] を押しながら対応する矢印キーを押します。たとえば、アイテムを左に移動させるには、[Alt/Opt]+[←] を押します。これにより、キーを押すごとに連桁は 1/4 スペース分、それ以外のアイテムは 1/8 スペース分移動します。

    • アイテムの移動幅を大きくするには、通常のキーボードショートカットに [Ctrl]/[command] を加えて押します (例: [Ctrl]/[command]+[Alt/Opt]+[←])。これにより、キーを押すごとにアイテムが 1 スペース分移動します。

    • アイテムの移動幅を中くらいにするには、通常のキーボードショートカットに加え [Shift] を押します (例: [Shift]+[Alt/Opt]+[←])。これにより、キーを押すごとにアイテムが 1/2 スペース分移動します。

    • アイテムの移動幅を小さくするには、通常のキーボードショートカットに加え [Ctrl]/[command]+[Shift] を押します (例: [Ctrl]/[command]+[Shift]+[Alt/Opt]+[←])。これにより、キーを押すごとにアイテムが 1/32 スペース分移動します。

    • アイテムをクリックして任意の方向にドラッグします。

      補足

      ビブラートバーのスクープは、マウスを使用しての移動はできません。

結果

選択したアイテムの表示位置が、リズム上の位置や連結された音符を変更することなく変更されます。アイテムは適用される位置に連結線で接続されるため、そのアイテムがどこに属しているかは常に明らかです。 プロパティ範囲を「ローカル (Locally)」に設定している場合、この変更は現在のレイアウトおよびフレームチェーンのみに影響します。

符頭の括弧やジャズアーティキュレーションなど一部のアイテムを移動すると、タイやスラーなど近くにある他のアイテムが、衝突を回避するため自動的に移動します。これにより、音符のスペーシングや配置設定に影響する場合があります。

他の強弱記号とリンクした強弱記号を移動すると、現在のレイアウト内で選択した強弱記号にリンクされているすべての強弱記号が同時に移動します。

演奏技法や数字付き低音など、延長線やホールドの線が付いたアイテムを移動すると、アイテムと線が一緒に移動します。延長線/ホールドの線または延長線/ホールドの線のハンドルを移動すると、延長線/ホールドの線がアイテムとは個別に移動します。解決音の数字を移動すると、数字付き低音のサスペンションと解決音の間のホールドの線の長さが自動的に調整されます。

歌詞のハイフンの長さを変更しても、ハイフンそのもののサイズや形状は変化しません。かわりに、ハンドル同士の距離が増減し、その間にハイフンが表示されます。

初期設定では、プレーヤーラベルを譜表内に配置するとその部分の背景が塗りつぶされるため、プレーヤーラベルと譜表線が重なることはありません。

補足
  • ヘアピンの開始ハンドルをキーボード操作で移動すると、ヘアピン全体の垂直位置が変化しますが、角度は変化しません。ヘアピンの角度を変更するには、終了オフセット位置を変更することも必要となります。ヘアピンのハンドルをマウスでドラッグすると、常に角度が変化します。

  • 「浄書オプション (Engraving Options)」の対応するページで、ほとんどのオブジェクトのデフォルト位置を変更できます。

  • アイテムを移動すると、アイテムの表示上のオフセットを制御するプロパティが自動的に有効になります。このプロパティは、アイテムのプロパティパネルの対応するグループ内か、テキストアイテムや歌詞など一部のアイテムについては「一般 (Common)」グループ内にあります。

    オフセットプロパティの一部には、水平オフセット (X 軸) および垂直オフセット (Y 軸) 用の数値フィールドが個別にあります。同様に、長さまたはデュレーションを持つアイテムには、各終端用のオフセットプロパティが個別にあります。

    これらのプロパティを使用し、数値フィールドの数値を変更してアイテムを移動させることもできます。オフセットプロパティをオフにすると、選択したアイテムがデフォルト位置にリセットされます。