オクターブ線

オクターブ線は、音符がスコアまたはパートに表示されるよりも高い、または低いピッチで演奏されることを示します。

オクターブ線は破線または点線による水平線で、開始位置に斜体の数字が記されています。数字はフレーズのピッチが変更される数を示し、たとえば 1 オクターブは 8、2 オクターブは 15 となります。

オクターブ線は、記譜よりも高いピッチの演奏を示す場合は譜表の上に、記譜よりも低いピッチの演奏を示す場合は譜表の下に配置されます。

1. そのままのピッチで演奏されるト音記号のフレーズ
2. 1 オクターブ上のオクターブ線が付いたト音記号のフレーズ
3. 2 オクターブ上のオクターブ線が付いたト音記号のフレーズ
4. そのままのピッチで演奏されるバス記号のフレーズ
5. 1 オクターブ下のオクターブ線が付いたバス記号のフレーズ
6. 2 オクターブ下のオクターブ線が付いたバス記号のフレーズ

Dorico Pro では、オクターブ線が付いているとピッチが自動的に調整されます。線の中にある音符の音域を変更する必要はありません。

オクターブ線は数個の音符、1 つのフレーズ、または複数のフレーズのうちいずれにも使用できますが、楽譜の流れを混乱させるものであってはなりません。オクターブ線の使いすぎや不適切な部分への使用は、元のメロディーの形を見えにくくしてしまいます。しかしオクターブ線を丁寧に使用すれば、加線の使用が減り、楽譜が演奏者に一目で読みやすいものになります。

7. ピッチ差の大きいフレーズにオクターブ線を使用しない例
8. 同じフレーズにオクターブ線を付けすぎて、フレーズの全体的な形状が歪められている例
9. 同じフレーズに、加線を減らすためにオクターブ線を 2 つだけ付けた例フレーズの全体的な形状は変わらないままです。

楽器に対し適切であればフレーズ全体に異なる音部記号を使用するか、またはフレーズ全体にオクターブ線を入れて形状と音域が演奏者に明確に伝わるようにするのが一般的にはベストです。

オクターブ線は水平に伸び、垂直方向のスペースを大きく占めることがあるため、通常は他のすべての記譜記号より外側に配置されます。ただし、スラーや連符の角括弧がオクターブ線より長い場合は、オクターブ線をその内側に配置できます。

オクターブ線は組段やページの区切りをまたいで続く場合もあります。慣例としては、組段の開始位置ごとに新たに数字を表示して、オクターブ線であることを分かりやすくします。親切オクターブ線番号は通常括弧が付き、必要に応じて末尾テキストが選択できます。