「移調 (Transpose)」ダイアログ

「移調 (Transpose)」ダイアログを使用すると、選択した音符を調号も含めて同時に移調できます。音程や性質に応じて移調したり、設定したオクターブの分割数の分だけ移調したりできます。

  • 「移調 (Transpose)」ダイアログは、記譜モードの楽譜領域で選択範囲を作成し、「記譜 (Write)」 > 「移調 (Transpose)」を選択すると開きます。

「移調 (Transpose)」ダイアログ

「移調 (Transpose)」ダイアログには以下のセクションがあります。

  1. 移調オプション

    実行したい移調を指定できるオプションがあります。たとえば、メジャー 3 度などの音程の性質で移調するよう選択したり、設定したオクターブの分割数で移調するよう選択したりできます。移調の方向、オクターブを含めるかどうか、および選択範囲を移調する音程と性質または区切りの数を選択できます。

    表記規則によれば、音程が異なると使用できる性質が異なります。たとえば、メジャー 3 度は指定できますがメジャーオクターブは指定できません。そのため、性質の前に音程を選択することをおすすめします。

    その他のオプションでは、選択範囲に含まれる調号を移調したり、関連する変更された音符とコード記号を可能な限り保持したり、二重臨時記号や三重臨時記号を回避したりできます。

    補足

    「ダブルまたはトリプルシャープ/フラットを避けるように書き換え (Respell to avoid double and triple sharps and flats)」を使用できるのは、12-EDO と互換性のある調性システムで楽譜を移調する場合のみです。

  2. 間隔を算出 (Calculate interval)

    開始位置の音符と移調後の音符に従って移調オプションを設定できます。たとえば、選択範囲が C ナチュラルから G になるように移調したい場合、そのために必要な音程と性質がわからなければ、「間隔を算出 (Calculate interval)」セクションにこれら 2 つの音符を入力して「適用 (Apply)」をクリックすると、Dorico Pro が自動的に必要な移調オプションを設定してくれます。

補足

「移調 (Transpose)」ダイアログでは、トリプルシャープよりもシャープが多くなるなど、記譜ができなくなる移調や、選択範囲の位置の調性システムに存在しない微分音の臨時記号が必要になる移調は行なえません。