キューの提案

キューの提案とは、現在のフロー内でプレーヤーが一定の間演奏していない箇所のうち、Dorico Pro がキューを入力するのに適していると識別した場所のことです。

キューパネルの「キューを提案 (Suggest Cues)」セクションは以下のセクションに分かれており、これらはキューの入力に適した場所を見つけるのに役立ちます。

休符時間 (Resting for)

キューを入力するまでのプレーヤーの休止時間を指定できます。

休止時間は小節や拍ではなく絶対時間で指定します。拍子やテンポはフローの中で何度も変更される場合があるほか、楽譜の一部または全体に拍子がないことがあるのに対し、1 秒は常に同じ長さであるためです。Dorico Pro はプロジェクトのメトロノームマークを使用して時間を計算します。

絶対時間を指定することで、キューに適した場所を見つけるアプローチの一貫性を確保できます。

リハーサルマーク (Rehearsal Marks)

休止時間を決定する際にリハーサルマークを考慮/無視できます。

リハーサルマークは楽譜の新しいセクションやその他の目印と同じ位置にあることが多く、これらはキューを追加しなくてもプレーヤーには明らかな場合があります。リハーサルマークは必ずしも音楽構造のガイドとして機能するわけではないため、初期設定では無視されます。

キュー

休止時間を決定する際に、出力先プレーヤーが演奏する音符の間にすでに存在するキューを考慮/無視できます。

出力先インストゥルメントのエントリーの直前にあるキューは常に無視され、たとえキューを考慮するように設定していても、提案箇所に含まれることはありません。

ただし、キューを考慮するように設定した場合、延長された休符の間プレーヤーが自分の場所を分かりやすく示し、エントリーの直前にないキューは、タイマーをリセットします。

更新 (Update)

「休符時間 (Resting for)」の長さやリハーサルマークとキューの設定を変更してこのボタンを押すと、これらの設定に基づいてキューの提案が再計算されます。

「更新 (Update)」ボタンの下には、キューの提案のリストを前回更新したときにアクティブだったフローとレイアウトの名前が表示されます。これにより、表に表示された提案が適用されるフローとレイアウトを一目で確認できます。

キューの提案の表

提案されたキューが表に表示されます。この表には以下の列があります。

  • 「インストゥルメント (Instr.)」: 指定した最小デュレーションより長く休止している出力先インストゥルメント。クリックすると、キューの提案があるインストゥルメントがスコアに登場する順に表示されます。

  • 「小節 (Bar)」: 休止時間のあとに出力先インストゥルメントの最初のエントリーが含まれている小節。クリックすると、エントリーが昇順、つまり登場が早い小節から順に上から下へと表示されます。

  • 「秒 (Sec.)」: 「小節 (Bar)」列に表示されたエントリーの前に出力先インストゥルメントが休止している時間の長さ (秒)。クリックすると、休止時間の長さが降順、つまり最も長いものから順に上から下へと表示されます。

キューの提案の表で行をクリックすると、その場所に直接移動します。初期設定では、出力先インストゥルメントのエントリーの前に 5 ~ 10 秒に相当するデュレーションがある領域が強調表示されます。強調された領域はキューの長さの具体的な提案ではありませんが、楽譜の前後関係によってはよい目安になります。

キューの提案の表で提案された場所にキューを作成すると、その提案はリストから自動的に削除されます。

表の一番下のアクションバーにある「無視 (Ignore)」をクリックすると、キューが適切だとは思わない提案を非表示にできます。

補足

あとから「更新 (Update)」をクリックしてリストを再生成すると、非表示になっていた提案が再度表示されます。

キューの提案箇所を強調 (Highlight suggestions)

「キューの提案箇所を強調 (Highlight suggestions)」をオンにすると、元インストゥルメントのエントリーの前の強調された領域が表示され、オフにすると非表示になります。

「演奏中のインストゥルメント (Playing instruments)」リスト

キューの提案の表で現在選択している出力先インストゥルメントのエントリーの前の 5 ~ 10 秒に演奏しているインストゥルメントが表示されます。このリストは、キューの元インストゥルメントとして使用するインストゥルメントを判断するのに役立ちます。