レイアウトごとの垂直方向のスペーシングオプション

Dorico Pro には、デフォルトの垂直方向のスペーシングと譜表の両端揃えをレイアウトごとでコントロールできるオプションが複数備わっています。

  • レイアウトごとの垂直方向のスペーシングオプションを開くには、「設定 (Setup)」 > 「レイアウトオプション (Layout Options)」を選択し、カテゴリーリストで「垂直方向のスペーシング (Vertical Spacing)」をクリックします。

「垂直方向のスペーシング (Vertical Spacing)」ページには、以下のセクションとオプションが含まれます。

最適間隔 (Ideal Gaps)

譜表や組段などの複数の組み合わせが含まれており、組み合わせごとに使用する間隔を設定できます。Dorico Pro のギャレービューでは譜表とアイテムの衝突を自動的に解消しないため、ギャレービューでの譜表間隔のデフォルトの拡大率も設定できます。オプションと一緒に表示される図は、オプションが適用される組み合わせを示します。

Dorico Pro は、設定された最適間隔よりも譜表間の間隔を狭めないため、許容範囲内の最小値に設定することをおすすめします。設定値が小さければ小さいほど、Dorico Pro が譜表のスペーシングを決定する際に柔軟に対応できます。これはたとえば、強弱記号が含まれている譜表間の間隔をより広く取るために、強弱記号が含まれていない譜表間の間隔を狭める場合など、内容の多いフレームで特に役立ちます。また、オプションの設定時にプロジェクト全体を考慮できるため、垂直方向のスペーシングの設定は音符やアイテムの入力後がおすすめです。

譜表や組段の組み合わせによっては、異なる方法で垂直方向の調整が行なわれます。

  • 「譜表から譜表まで (Staff to staff)」「譜表グループから譜表まで Staff group to staff」「譜表から譜表グループ (Staff to staff group)」「譜表グループから譜表グループ (Staff group to staff group)」「組段内の間隔 (Inter-system gap)」「タイムコード譜表から譜表まで (Timecode staff to staff)」

    これらの組み合わせの間隔は、垂直方向の調整が行なわれるフレーム内では適用されません。

  • 「連合譜表から連合譜表 (Braced staff to braced staff)」「オッシア譜表から譜表まで (Ossia staff to staff)」

    連合譜表とオッシア譜表は垂直に揃えられないため、垂直方向の調整が行なわれるフレーム内でも間隔が常に適用されます。追加の譜表も含まれます。

補足
  • 「譜表から譜表まで (Staff to staff)」の間隔を使用している場合、ディヴィジ譜表は垂直に揃えられます。「連合譜表から連合譜表 (Braced staff to braced staff)」の間隔を使用している場合、各ディヴィジセクションの譜表は連合譜表に設定された間隔のみを使用し、垂直には揃えられません。

  • レイアウトの譜表が非常に近い場合は、譜表サイズを小さくすることで良い結果を得られることもあります。

  • レイアウトの各フレームに含めることのできる組段数を決定する際には、譜表の高さ、譜表間の最小間隔、位置が極端に高い/低い音符と譜表の最大距離、ペダル線やテンポ記号といった垂直方向のスペースを必要とするその他のアイテムなどが反映されます。ただし、この計算は垂直方向のスペーシングが決定する前に実行されるため、最終的には最適な数よりも多いまたは少ない組段数がフレームに割り当てられる場合があります。このような場合、固定の配置設定と組段/フレーム区切りを使用してフレーム内に表示される組段を変更できます。

最小値 (Minimum Gaps)

アイテムを伴う譜表の最小間隔に関するオプションが含まれます。

  • 「隣り合う譜表と組段の衝突を自動的に解消する (Automatically resolve collisions between adajacent staves and systems)」: このオプションがオンの場合は、Dorico Pro が譜表と組段の間にスペースを追加することで衝突を自動的に解消します。オフの場合は、垂直方向のスペーシングで設定した間隔のみが使用されるため譜表や組段は等しく配置されますが、アイテムの衝突が起こる可能性があります。

  • 「内容を伴う譜表間の最小間隔 (Minimum inter-staff gap with content)」: アイテムが含まれる譜表間で使用可能にするスペースを設定できます。

  • 「内容を伴う組段間の最小間隔 (Minimum inter-system gap with content)」: アイテムが含まれる組段間で使用可能にするスペースを設定できます。

補足

最小間隔は配置設定には影響しません。たとえば、「内容を伴う組段間の最小間隔 (Minimum inter-system gap with content)」の値を大きくすると、ページ上の組段の上下のスペースが変更されますが、組段が後ろのページに押し出されることはありません。かわりに、最適間隔を変更できます。

両端揃え (垂直方向)

譜表または組段において、自動的に垂直方向の調整が行なわれるフレーム使用率のしきい値の上限を設定するオプションが含まれます。

  • 「譜表間および組段間の距離を調整する [n] % 以上のフレーム使用率の場合 (Justify distance between staves and systems when frame is at least [n]% full)」: フレームの使用率がこのしきい値を超えた場合、フレームに含まれるすべての譜表と組段が自動的に垂直方向に調整され、フレームの高さに合わせて等しく配置されます。フレームの使用率がこのしきい値より低い場合は、自動的に調整されず、譜表は最適間隔の設定に従います。これにより、一番下の譜表/組段とフレームの下部との間に間隔が空く場合があります。

  • 「組段間の距離のみを調整する [n] % 以上のフレーム使用率の場合 (Justify distance only between systems when frame is at least [n]% full)」: フレームの使用率がこのしきい値を超えた場合、フレームに含まれる組段間の距離のみが調整されます。譜表はレイアウトごとの最適間隔の設定に従います。これにより、非常に混み合ったページでも組段間に十分な距離が保たれます。

  • 「単一の段組のフレームがこのしきい値を超えた場合に譜表間の距離を調整する (Justify staves when frame with single system is above this threshold)」: このオプションがオンの場合、単一の組段に含まれる譜表において、設定したしきい値よりを超えるすべての譜表が垂直方向に調整され、フレームの高さに合わせて等しく配置されます。

譜表の表示/非表示 (Staff Visibility)

レイアウト内の空白の譜表のうち、どの譜表をどこから非表示にするかを設定するオプションが含まれます。

  • 「空白の譜表を非表示 (Hide empty staves)」: 空白の譜表をどこから非表示にするかを選択できます。たとえば、一般的には最初の組段では空白の譜表を含むすべての譜表を表示しますが、これは必ずしも必須ではありません。

  • 「複数の譜表を持つインストゥルメントの個々の譜表を非表示にする (Allow individual staves of multi-staff instruments to be hidden)」: 複数の譜表を持つインストゥルメントに含まれる個々の空白の譜表を非表示にするか、複数の譜表を持つインストゥルメントのすべての譜表を常に表示するかを選択できます。

  • 「「空白の譜表を非表示」を適用しないプレーヤー (Players excluded from Hide Empty Staves)」: プレーヤーに非表示になるはずの空白の譜表が組段に含まれている場合でも、すべての譜表を常に表示する特定のプレーヤーを選択できます。