テンポ記号のタイプ

Dorico Pro は、その機能と楽曲に与える影響に従い、テンポ記号を複数のタイプにグループ分けしています。

記譜モードのテンポパネルでは以下のテンポ変更が利用できますが、テンポのポップオーバーを使用しても、すべてのタイプのテンポ変更を入力できます。

固定テンポ変更 (Absolute Tempo Change)

明確なテンポ変更を示し、多くの場合メトロノームマークを伴って表示されます。

段階的テンポ変更 (Gradual Tempo Change)

rallentando (テンポを落とす) や accelerando (テンポを上げる) など、指定した時間範囲におけるテンポの変更を示します。

相対テンポ変更 (Relative Tempo Change)

mosso (変動) など、前のテンポに対する相対的なテンポの変更を示します。

相対テンポ変更には、poco meno mosso (今までより少し遅く) のように、変化の度合いを表わす修飾語句が付く場合もあり、これにはメトロノームマークによる指定はありません。ただし、前のメトロノームマークに対する割合の形で、メトロノームマークの相対的な変化を設定できます。

テンポをリセット (Reset Tempo)

A tempo のようにテンポを前のテンポに戻したり、Tempo primo (楽曲の最初のテンポに戻る) のように、あらかじめ指定されたテンポに戻したりします。

テンポの等式 (Tempo Equation)

メトロノームマークが基本とする拍の単位の変更を示します。たとえば、拍子記号が 3/4 から 6/8 に変更された場合、= というテンポの等式により、3/4 拍子では 4 分音符の拍の単位に使用されていたメトロノームマークの値が、6/8 拍子では付点 4 分音符の拍の単位に使用されることが示されます。