譜表および声部をまたぐスラー

譜表をまたぐスラーは、ある譜表から始まって別の譜表で終わります。声部をまたぐスラーは、ある声部から始まって別の声部で終わります。

1. 2 つのピアノ譜表をまたぐスラー

Dorico Pro は、譜表および声部をまたぐスラーの配置を標準のスラーの配置と同様に行ないます。譜表および声部をまたぐスラーの移動および長さの変更は標準のスラーと同様に行なえますが、その動作は同じではありません。たとえば、声部をまたぐスラーは同じ譜表の別の声部には移動できず、また同じ譜表の別の声部への延長もできません。また、声部をまたぐスラーを、そのスラーの開始位置または終了位置とは異なる声部の音符まで延ばす、または縮めることはできません。

譜表をまたぐスラーの移動および長さの変更は、終端が属するのと同じ譜表上の音符へしか行なえません。たとえば、譜表をまたぐスラーが下段の譜表から始まって上段の譜表で終わるフレーズをつなぐ場合、譜表をまたぐスラーを短縮できるのは上段の譜表の最初の音符までで、下段の譜表の音符までは縮められません。

声部をまたぐスラーにおいて、声部は同じ譜表にあっても、異なる譜表にあっても構いません。

初期設定では、譜表をまたぐスラーは衝突を回避するように調整されます。譜表をまたぐスラーの衝突回避は、「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「スラー (Slurs)」ページにある「衝突の回避 (Avoiding Collisions)」セクションで変更できます。