スラーの衝突回避

Dorico Pro は初期設定では、スラーと弧内のアイテムとの衝突を回避するように、形状と位置を自動的に調整します。

つまりある符頭が、上向きにカーブするスラーの中で他より高い位置にある場合、または下向きにカーブするスラーの中で他より低い位置にある場合、衝突を回避しつつ符頭がスラー内に収まるように、スラーのカーブが調整されます。衝突回避は個々のスラーにおいて手動で無効にできます。

「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「スラー (Slurs)」ページの「衝突の回避 (Avoiding Collisions)」セクションでは、衝突回避のためにスラーを調整する方法のオプションを選択できます。これには、調整におけるスラーの形状の変更と終端の移動のバランスの選択や、左右非対称なスラーを認めるかどうかなどが含まれます。

1. 衝突回避が有効化されたスラー (デフォルト)
2. 衝突回避が無効化されたスラー

譜表をまたぐスラーの衝突回避

「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「スラー (Slurs)」ページの「衝突の回避 (Avoiding Collisions)」セクションでは、譜表をまたぐスラーの衝突回避をオンまたはオフにできます。譜表をまたぐスラーの衝突回避をオンにすると、音符が譜表をまたぐ位置に応じて譜表をまたぐスラーのカーブが調整されます。ほとんどの場合、このオプションをオンにすることでスラーの形状が改善されます。

補足
  • 譜表をまたぐスラーの配置は複雑さが増すため、浄書モードにおける手動の調整がさらに必要となる場合があります。

  • 譜表間の S 字型スラーは衝突回避を一切行なわないため、これらの設定は適用されません。

フラットの臨時記号を二分するスラー

出版される楽譜における記譜規則に従えば、スラーは垂直方向のスペースを抑えるためにフラットの臨時記号の棒を二分できますが、シャープやナチュラルを二分できません。

「浄書オプション (Engraving Options)」「スラー (Slurs)」ページでは、スラーによるフラット記号の二分の禁止を選択したり、フラット記号の棒がスラーの上に突き抜ける最大量を変更したりできます。