トリル音程

トリルの音程は、演奏者にどの音符を演奏するか伝えるとともに、Dorico Pro が再生時に使用するピッチにも影響を与えます。たとえば、E の音符にシャープの臨時記号付きのトリルが付く場合、演奏者は E と F ではなく E と F を使用してトリルを演奏します。

1. これらのトリルに付く異なる臨時記号は、トリル先の音符の変更を示します。

トリル入力時に音程を指定しない場合、Dorico Pro はトリルが属する声部の一番上の音符、現在の調号、および小節内で前出の臨時記号に基づき、適切な音程を算出します。たとえば、C メジャーにおける E にトリルを入力すると、トリル先は半ステップ/短 2 度の音程による F となります。小節内で前出の F にシャープの臨時記号が付いている場合、E と F による 1 ステップ/長 2 度のトリル音程になります。

オープンキー/無調の調号においては、Dorico Pro は初期設定では 1 ステップ/長 2 度のトリル音程を演奏します。

ポップオーバーで入力するときにトリルの音程を指定できます。これは同じトリルに含まれる異なる符頭にも指定でき、個々のトリルの音程は入力後にも変更できます。

トリルの音程にトリルの音程の指示が必要ない場合、トリルの音程はガイドで表示されます。ただし、初期設定ではトリルの音程のガイドは非表示になっています。

トリルと臨時記号

必要に応じて、Dorico Pro はトリルの音程を明確に示すために臨時記号を表示します。また Dorico Pro は、トリルと同じ小節にあるトリル以降の音符が、トリルの上の音符と音名が同じで臨時記号が異なる場合、自動的にその音符に臨時記号を表示します。

初期設定では、調号の変化記号により上の音符が影響されていない限りは、トリル記号そのものが音程を表わします。小節内で前出の臨時記号により上の音符が影響を受けている場合、トリルは常に音程を表示します。調号の変化記号により変化しているピッチをトリルが変更した場合、後続する同じ音程の音符には自動的に適切な臨時記号が付けられます。現在および次の小節で必要となる親切臨時記号も自動的に表示されます。

微分音トリルの音程

12-EDO 以外の調性システムを使用している場合、トリルの音程は全音階のステップ数と、記譜上の音符からの合計分割数に基づき指定できます。24-EDO では、トリルの音程はメジャーやマイナーなど性質に基づいても記述できます。調整システムで分割数の大きいものや各音階ステップ間の分割数が不均一なものでは、音程の性質のみによる指定では不十分なため、オクターブの分割数に基づきトリルの音程を指定する必要があります。