タッキングインデックスのプロパティ

記譜記号のタッキングインデックスは、複数の記譜記号が同じ位置に存在する場合に、垂直スタッキングの順番における他の記譜記号に対する位置を決定します。

出版された楽譜のほとんどにおいて、アイテムが記譜される相互の順番は一定となっています。Dorico Pro は一般的な表記規則を使用して、記譜記号の位置や配置を自動的に決定します。たとえば、スラーと連符の角括弧が同じ位置に存在する場合、Dorico Pro はそれぞれの長さを比較して配置を決定します。スラーが連符の角括弧より長い場合、スラーは連符の角括弧より外側に配置されます。連符の角括弧がスラーより長い場合、スラーは連符の角括弧より内側に配置されます。

ただし、アーティキュレーション、スラー、連符およびオクターブ線の順番と配置に関するルールは、それぞれの長さと音楽的な状況により、多くの変化や例外を生じます。そのため、特定の状況における配置の順番は、自動生成された順番を上書きして手動で変更できます。

この柔軟性を可能とするために、スラー、オクターブ線および連符にはすべて、プロパティパネルのそれぞれ対応するグループ内に「タッキングインデックス (Tucking index)」プロパティが用意されています。

補足
  • アーティキュレーションは、スタックの順番を算出する際には上記の記譜記号と同様に考慮されますが、タッキングインデックスのプロパティは持ちません。

  • 演奏技法には個別のタッキングインデックスがあり、演奏技法の垂直方向の順序を変更できます。

「タッキングインデックス (Tucking index)」0 である場合、アイテムは音符の 1 番近くに配置されます。数字が大きくなるほど、アイテムはスタックの順番の中で音符から離れた位置に配置されます。