オクターブの均等な分割 (EDO)

EDO とは、「Equal Division of the Octave (オクターブの均等な分割)」の略です。これはオクターブを均等に分割した断片 (音程) の数になります。Dorico Pro では、オクターブの分割を自由な数に設定でき、調性システムそれぞれに特別な調号およびカスタムの臨時記号を作成できます。

伝統的な西洋和声は、調性システムを表現する方法の 1 つである平均律 (12-EDO) に基づきます。伝統的な C から C までのスケールにおいては、スケールを構成する 7 つの音程に 12 個のステップ (オクターブの均等な 12 分割) が振り分けられるためです。

「調性システムを編集 (Edit Tonality System)」ダイアログで 12-EDO 調性システムを編集すると、スケール中の各音程にステップがどう振り分けられているか確認できます。たとえば、音程の A と B の間にはステップが 2 つ割り当てられていますが、B と C の間にはステップが 1 つしかありません。これは、12-EDO におけるそれぞれのステップは半ステップ (半音) を表わし、標準の平均律において A と B の間には 2 つの半ステップがありますが、B と C の間には半ステップが 1 つしかないからです。

調性システムで最小のステップを半ステップ (半音) ではなく 1/4 音にするには、オクターブを分割する数を 12-EDO の倍にしなければなりません。よって、プロジェクトで 1/4 音の臨時記号を使用するには、プロジェクトの調性システムに「平均律 (24-EDO) (Equal temperament (24-EDO))」を選択する必要があります。

オクターブを分割する数は自由に選択できますが、標準の西洋式調号を表示させる場合は、オクターブの均等な分割の数は 12 の倍数である必要があります。

EDO においては、伝統的な西洋式のピッチとは異なるピッチを A から G の音名に割り当て、これを明解に表現するための記譜記号を作成するということもできます。オクターブを分割する方法には制限がないためです。たとえば、トルコ音楽は伝統的に 53-EDO によって分割され、通常 A から A までの各音程に「9-4-9-9-9-4-9」の形で分割数が割り当てられます。