装飾音符の一般的な配置規則

装飾音符の振る舞いは多くの点で標準の音符と同様ですが、符尾の方向、符頭に対する位置、および符尾のスラッシュの位置について、特有の配置規則があります。

装飾音符は初期設定では符尾が上向きで表示されますが、1 つの譜表の複数の声部それぞれに装飾音符がある場合は例外であり、この場合は下向きの声部の装飾音符の符尾が下向きになります。これにより、装飾音符に対するスラーの位置が影響されます。

装飾音符は、それが拍の手前ではなく拍と同時に演奏されることを意図している場合であっても、常に符頭の前に配置されます。通常は適用される符頭の直前になるように、小節線より後に配置されます。しかし、装飾音符が 3 つ以上のグループの場合は、小節の 1 拍めの音符が小節線から離れすぎないように、小節線より前に配置されることもあります。

装飾音符の符尾のスラッシュは、複数の装飾音符が同じ位置で 1 つの連桁に括られる場合は、連桁の開始位置に表示されます。装飾音符が 1 つの場合は、スラッシュは符尾および符鉤をまたぐ形で表示されます。

臨時記号が追加されると、標準の音符と同様、臨時記号が読みやすいように音符のスペーシングが再調整されます。

装飾音符にアーティキュレーションが付く場合は、最も読みやすい場所、ほとんどの場合は譜表の外側に追加されます。Dorico Pro は自動的にアーティキュレーションを装飾音符の符尾側に、そして符尾または連桁が譜表の内側にある場合は譜表の外側に配置します。

装飾音符に対するスラー

初期設定では、装飾音符からはじまってタイのつながりの音符で終わるスラーは、タイのつながりの最初の音符に終端が付きます。タイのつながりに対するスラーの位置は個別に変更できますが、装飾音符からはじまるスラーも同様です。

すべての装飾音符に対するスラーのデフォルト位置は、「浄書オプション (Engraving Options)」「スラー (Slurs)」ページにある「装飾音符 (Grace Notes)」セクションで変更できます。このセクションでは、複声部における装飾音符に対するスラーの位置設定も行なえます。

同じページの「タイでつながれた音符 (Tied notes)」セクションでは、スラーが装飾音符から始まる場合の、タイのつながりに対するスラーのデフォルトの位置を変更できます。