ユニゾン範囲

ユニゾン範囲とは、ディヴィジのパッセージが組段の途中で開始/終了するとき、その前/後ろのすべての譜表に自動的に複製されるトゥッティのパッセージです。これにより、どの時点でもプレーヤーが演奏するべき内容があいまいになることがありません。

楽譜の複製の際、Dorico Pro はセクションの一番上の譜表を複製元に使用し、その譜表のすべての音符と記譜記号をセクションのすべての譜表に複製します。

ユニゾン範囲の各譜表の音符は個別に編集できません。ユニゾン範囲の譜表の音符やアイテムを選択すると、セクションのすべての譜表上で同じ音符やアイテムが選択されます。従って、ユニゾン範囲の音符やアイテムを編集することは、セクションのすべての譜表の音符やアイテムを同時に編集することになります。同様に、ユニゾン範囲の譜表に音符を入力すると、Dorico Pro はセクションのすべての譜表にもその音符を入力します。

1. ユニゾン範囲 (色で表示) のすべての譜表で同時に選択されている音符とスラー
補足

1 つの譜表からセクションの他の譜表への複製は複雑な処理であるため、Dorico Pro が自動で行なえる処理には限界があります。これには特にディヴィジ作成より前から始まる、またはディヴィジ作成より後ろで終わる音符や記譜記号が該当します。たとえば、ディヴィジ作成の前から始まってディヴィジ作成の内側につながるスラーは、ユニゾン範囲には複製されません。このような場合、ディヴィジ作成をスラーの前または後ろに移動し、必要に応じて前後のユニゾンの音符や記譜記号を手動で複製することをおすすめします。

ディヴィジョンの譜表がトゥッティに復元する位置でメインの譜表とは異なる音部記号を使用している場合、Dorico Pro は自動的に適切な音部記号を入力します。

補足

このときディヴィジョンの終了位置における音部変更記号のデフォルトのスペーシングが狭く、直前の音符とすれすれに配置される場合があります。このような場合、その位置の音符のスペーシングを調整することをおすすめします。