連桁の傾斜

連桁の傾斜は、連桁グループ内の音符の音程に従って、連桁を水平からどれだけ傾かせるかを制御します。

  • フレーズの最後の音符の音程が最初の音符より高い場合、連桁は上向きに傾斜します。

  • フレーズの最後の音符の音程が最初の音符より低い場合、連桁は下向きに傾斜します。

  • 連桁グループの真ん中がくぼんだ形、つまり連桁の内側の音符が左右外側の音符より連桁に近い場合、初期設定では連桁が水平になります。

    すべての音程が同じ場合、または特定のパターンで音程が反復する場合も、連桁は水平になります。

連桁が譜表の内側にある場合、連桁の両端つまり両端にある音符の符尾の先端は、譜表の線にスナップする必要があります。連桁線は譜表線の上に乗せるか、中央揃えにするか、ぶら下げるかのいずれかにできます。Ted Ross 氏は、著書『Teach Yourself the Art and Practice of Music Engraving』において、これら 3 種類の位置をそれぞれ「sit (座る)」、「straddle (またがる)」、および「hang (ぶらさがる)」と説明しています。

1. 傾斜と方向が異なる複数の連桁を含むフレーズ

連桁の傾斜角度は通常、連桁内の音符がパターンを踏んで水平にならない限り、連桁グループの最初と最後の音符の音程差によって決まります。音程差が小さいほど傾斜はゆるく、差が大きいほど傾斜はきつくなります。

ただし、考慮するべきは適切な傾斜角度だけではありません。一番内側の連桁線が一番内側の符頭に近づきすぎないようにし、また連桁そのものも、できるだけ譜表線に対してくさび形にならないように配置する必要があります。くさび形とは水平な譜表線と垂直な符尾、そして傾斜した連桁線によって作られる小さい三角形のことであり、視覚的に混乱の原因となります。

連桁の傾斜を決定することは、適切な傾斜角度、連桁の両端それぞれのスナップ位置、連桁に一番近い音符と一番内側の連桁線の距離を保つ、できるだけくさび型を作らないようにする、という複数の要素のバランスを取りながら決める作業です。

  • 「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「連桁 (Beams)」ページでは、さまざま状況における最適な連桁の傾斜を設定できます。

  • 「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」「音符 (Notes)」ページにある「符尾 (Stems)」セクションでは、デュレーションが異なる音符の符尾の長さの最小値を指定できます。

  • また、連桁の傾斜を個別に変更することもできます。