楽譜の作成の仕上げ

ここまでで、楽譜全体の大部分を入力し、各タスクを実行することでドーラ・ペヤチェヴィチの⁠『ワルツ-カプリス 2 番』⁠を完成させるために必要なすべての作業を習得できたはずです。

これで、完成したスコア (steinberg.help からダウンロードできます) を参照すれば楽譜全体の入力を仕上げることができます。以下に、仕上げに役立つ注意事項とヒントをいくつかご紹介します。

  • 小節番号 43 から最後までの楽譜は、小節番号 1 ~ 32 をほとんどそのまま繰り返したものです。小節番号 1 ~ 32 に必要なすべての作業を終えたら、それを小節番号 43 にコピーして違いを確認し、複製した素材を必要に応じて微調整するといいでしょう。

    補足

    オリジナルの楽譜では、おそらく組段内の水平方向のスペースを節約するために小節番号 28 ~ 30 で使用された音部変更記号は、小節番号 70 ~ 72 での繰り返し部分には含まれていませんでした。2 回目に音部変更記号を含めるかどうかは自分で決めることができます。

  • この楽譜には紹介した手順に含まれていない強弱記号やスラーもたくさんあるため、それらを追加できます。

  • 間違った場所や声部に入力してしまった場合、音符やアイテムは簡単に移動したり長さを変更したりできます。

    • 音符/アイテムを右に移動するには [Alt/Opt]+[→] を押します。左に移動するには [Alt/Opt]+[←] を押します。(これらのキーボードショートカットは強弱記号を符頭に移動します。かわりに強弱記号をリズムグリッド間隔で移動するには、[Ctrl]/[command]+[Alt/Opt]+[→] または [Ctrl]/[command]+[Alt/Opt]+[←] を押します)

    • ヘアピンなどのデュレーションを持つアイテムや音符の長さを延ばすには、[Shift]+[Alt/Opt]+[→] を押します。短くするには、[Shift]+[Alt/Opt]+[←] を押します。

    • 音符/アイテムを上の譜表に移動するには、[Alt/Opt]+[N] を押します。音符/アイテムを下の譜表に移動するには、[Alt/Opt]+[M] を押します。

    • 符尾が上向きの声部から符尾が下向きの声部に変更するなど、音符の声部を変更するには、音符を選択して「編集 (Edit)」 > 「声部 (Voices)」 > 「声部を変更 (Change Voice)」 > [声部]を選択します。このオプションはコンテキストメニューでも選択できます。

    • アイテムを反転して譜表の反対側に表示するには、[F] を押します。

  • 同様に、音符を入力する前に音域を指定することも、音符の入力後にピッチを変更することもできます。

    • 直前に入力した音符の上に音符を入力するには、[Shift]+[Alt/Opt] を押しながら音符を表わすアルファベットを押します (例: [Shift]+[Alt/Opt]+[A])。直前に入力した音符の下に音符を入力するには、[Ctrl]+[Alt] (Windows) 又は [Ctrl] (macOS) を押しながら音符を表わすアルファベットを押します (例: [Ctrl]+[Alt]+[A] (Windows) 又は [Ctrl]+[A] (macOS))。

    • C から D のように音符を 1 度ずつ上げるには、[Alt/Opt]+[↑] を押します。D から C のように音符を 1 度ずつ下げるには、[Alt/Opt]+[↓] を押します。

    • オクターブの分割単位で音符を上げるには、[Shift]+[Alt/Opt]+[↑] を押します。オクターブの分割単位で音符を下げるには、[Shift]+[Alt/Opt]+[↓] を押します。(移動幅は適用中の調性システムによって決まります。平均律 (12-EDO) で半音や平均律 (24-EDO) で 1/4 音など)

    • 音符を 1 オクターブ上げるには、[Ctrl]/[command]+[Alt/Opt]+[↑] を押します。音符を 1 オクターブ下げるには、[Ctrl]/[command]+[Alt/Opt]+[↓] を押します。

  • 休符を入力する必要はないはずです。音符を入力する場所にキャレットを移動するだけで、その音符の周囲に必要な休符が自動的に表示されます。

    • 特定の拍から音符の入力を開始するには、譜表のその場所をダブルクリックします。

    • 音符パネルで現在選択中の音符のデュレーションに従ってキャレットを次の位置に進めるには、[Space] を押します。また、この操作は段階的強弱記号などのデュレーションを持つ記譜記号を延長したり、現在の連符を引き続き入力したりする場合にも使用します。

    • 現在のリズムグリッドの間隔 ステータスバーのリズムグリッドセレクター に従ってキャレットを移動するには、[→]/[←] を押します。

    • 次/前の小節にキャレットを移動するには、[Ctrl]/[command]+[→]/[Ctrl]/[command]+[←] を押します。

    • 上/下の譜表にキャレットを移動するには、[↑]/[↓] を押します。

    • 組段の一番上/一番下の譜表にキャレットを移動するには、[Ctrl]/[command]+[↑]/[Ctrl]/[command]+[↓] を押します。

  • 臨時記号のキーボードショートカットは、フラットの [-]、ナチュラルの [0]、シャープの ^ です。調号に含まれている臨時記号を指定する必要はありません。

  • 一般的な音符のデュレーションのキーボードショートカットは、8 分音符の [5]、4 分音符の [6]、2 分音符の [7]、付点の [.] (ピリオド) です。デュレーションが短いほど数字が小さく、デュレーションが長いほど数字が大きくなります。

  • 楽譜領域では矢印キーを使用してアイテム間を移動し、[Tab] を押して同じ位置にある他の種類のアイテムに選択を切り替えることができます (音符から強弱記号やスラーなど)。