マスターページとトークン

マスターページとテキストトークンを完全に編集して使用できるのは Dorico Pro のみですが、Dorico がそれらを使用してページに情報を表示する際の基本原理を理解しておくことは、製品バージョンに関係なく重要です。

「プロジェクト情報 (Project Info)」に情報を追加すると、その情報が自動的に楽譜に表示されます。これにより、次の情報が影響を受けます。

ラベル付けされたレイアウト内の情報

  1. プロジェクトのタイトル

  2. フロー 1 の番号とタイトルを表示するフロー見出し

  3. プロジェクトの作曲者

  4. フロー 1 のタイトルを表示する欄外見出し

フロー見出しと欄外見出しは、どちらもプロジェクトのタイトルではなくフローのタイトルを参照するため、それぞれの見出しの下の最も近いフローに応じて自動的に更新されます。たとえば、プロジェクトに 4 つのフローが含まれている場合、すべてのページに同じページ形式設定を使用し、フローのタイトルは常に関連するフローを参照するようにできます。

Dorico では、「プロジェクト情報 (Project Info)」の各フィールドを参照するテキストトークンを使用することでこれを実現します。テキストトークンには、フローのタイトルやレイアウト名などの対応する情報が自動的に生成されます。

Dorico Pro では、浄書モードに切り替えると、これらのトークンを含むデフォルトのマスターページ上の緑色のテキストフレームが表示されます。

浄書モードで表示されたテキストフレーム

マスターページは Dorico のテンプレートのように機能し、同じページの形式設定を複数の異なるページや別のレイアウトに適用できます。スコアとパートのすべてのページには、マスターページのページ形式が引き継がれます。マスターページを作成したり何らかの変更を加えたりすると、そのマスターページを使用するページに自動で反映されます。

プロジェクトのタイトルと作曲者はどちらも「最初 (First)」のマスターページに表示されます。欄外見出しは「デフォルト (Default)」のマスターページに表示されます。フロー見出しはフローの最初の組段の上、楽曲フレームの内側に表示されます。

ページ番号 1 の上部のテキストフレームをダブルクリックするか、テキストフレームの端を選択して [Return] を押すと、プロジェクトタイトルを生成するトークンが表示されます。

「最初 (First)」のマスターページの一部であるプロジェクトタイトルのトークン

補足
  • ページ上でフレームを直接編集すると、ページの優先が設定されます。マスターページのページ形式を使用するフレームを変更したい場合は、マスターページ自体を編集することをおすすめします。そうすることで、多くのページに同じ変更を加える場合、1 回の変更ですべてのページを更新できます。

  • マスターページのデフォルトのフレームでは、パラグラフスタイルを使用することで、対応するタイプのテキストの書式を一貫して設定します。Dorico Pro では、「浄書 (Engrave)」 > 「パラグラフスタイル (Paragraph Styles)」を選択してパラグラフスタイルを編集できます。

  • Dorico Pro では、テキストフレーム内で右クリックして表示されるコンテキストメニューからトークンにアクセスできます。