最後に

このガイドでは、Dorico で作業をする際の便利な方法をご紹介してきました。最後に、時間を有効に活用し、生産性を最大限に高めるためのヒントと、活用できるその他のリソースついてお伝えしたいと思います。

  • ポップオーバーのエントリーやテキストトークンの PDF など、包括的なマニュアルは steinberg.help からダウンロードできます。一般的なキーボードショートカットのクイックリファレンスカードは Dorico ブログで、ビデオチュートリアルは Dorico YouTube チャンネルで公開されています。また、Dorico のリソースページには、公式リソースとサードパーティーリソース両方のリンクが掲載されています。

  • Dorico Pro ユーザー向け: 「浄書 (Engrave)」 > 「浄書オプション (Engraving Options)」 (キーボードショートカット [Ctrl]/[command]+[Shift]+[E]) にあるオプションを確認してください。各記譜記号には多くのオプションが用意されています。たとえば、すべての演奏技法を譜表から離して表示したい場合や、すべてのテキストオブジェクトを譜表の近くに表示したい場合にはデフォルトの最小間隔を変更します。その他のオプションとしては、段階的強弱記号をデフォルトでヘアピンとして表示するか cresc. テキストとして表示するかといった、記譜記号の外観の変更などがあります。

  • Dorico Pro ユーザー向け: 「記譜 (Write)」 > 「記譜オプション (Notation Options)」 (キーボードショートカット [Ctrl]/[command]+[Shift]+[N]) には、連桁グループ、音符をタイに分割する方法、声部列など、楽譜の記譜方法に関するデフォルト設定があります。

  • ページサイズや小節番号の位置など、一般にレイアウトごとに異なるオプションは、すべての製品バージョンで利用できる「設定 (Setup)」 > 「レイアウトオプション (Layout Options)」 (キーボードショートカット [Ctrl]/[command]+[Shift]+[L]) で設定できます。

  • 譜表間や組段間の間隔を調整する場合は、「レイアウトオプション (Layout Options)」にある垂直方向のスペーシングオプションを使用することを強くおすすめします。Dorico Pro ユーザーは浄書モードで譜表を手動で移動することもできますが、レイアウトの最初にタイトルページを追加するなど、元のページを変更すると、譜表のスペーシングの上書きが削除されることがあります。

  • 特に Dorico ElementsDorico SE では、プロジェクト情報を直接ページに入力しないようにしてください。なぜなら、「マスターページとトークン」で説明したように、この操作によってページの優先が設定されてしまうためです。タイトルや作曲者などの情報は、「プロジェクト情報 (Project Info)」ダイアログ (キーボードショートカット [Ctrl]/[command]+[I]) で追加します。Dorico Pro をお使いの場合は、浄書モードでマスターページを編集するか新規に作成して、それらの情報を任意の場所に配置できます。

  • 拍子記号を使用して、音符をタイのつながりや連桁にどのようにグループ化するかを設定できます。これを行なうには、拍子記号のポップオーバーに「2+3+2/8」のように拍のグループを入力します。拍子記号に拍のグループを表示しない場合は、「[2+3+2]/8」のように角括弧内に拍のグループを入力します。連桁を譜表ごとに手動で変更する必要がないため、拍子が不規則な楽譜で特定の連桁グループを使用する場合に非常に便利です。

  • 特定のデュレーションで音符や休符を入力したい場合は、「デュレーションを強制 (Force Duration)」 (キーボードショートカット [O]) で Dorico の音符と休符のグループ化のデフォルト設定をオーバーライドできます。

  • キャレットが有効なときに [Shift]+[↑][Shift]+[↓] を押すと、複数の譜表にキャレットを伸ばして、これらすべての譜表に音符や記譜記号を (対応するポップオーバーを使用して) 同時に入力できます。

  • Dorico Pro ユーザー向け: 特定の記号を頻繁に使用する場合は、それらをカスタムの演奏技法やカスタムラインとして作成できます。

  • 頻繁に実行する操作については、「環境設定 (Preferences)」 (キーボードショートカット [Ctrl]/[command]+[,]) の「キーボードショートカット (Key Commands)」ページを確認してください。多くのオプションに独自のキーボードショートカットを割り当てることができます。

  • その他のご質問やアドバイスについては、活発でフレンドリーな意見交換の場である Dorico フォーラムをご活用ください。