譜表ラベル

譜表ラベルは対応する譜表で楽曲を演奏する楽器を特定するために使用され、各組段の最初の小節線の左側に配置されます。譜表ラベルは一般的に複数のプレーヤーを含む楽譜で使用されます。

インストゥルメント名は、各フローの最初の組段の譜表ラベルにおいて完全な形で、以降の組段の譜表ラベルにおいては省略された形で表示するのが通例となっています。省略されたインストゥルメント名を使用すると水平方向のスペースが節約され、各組段により多くの楽譜を書き込めます。

1. フローの最初の組段の譜表ラベルの例

Dorico Elements の初期設定では、譜表ラベルには各インストゥルメントに設定されたインストゥルメント名が使用されます。各レイアウトでプレーヤーごとにプレーヤー名を表示せずに、譜表ラベルに個別に表示できます。これはたとえば、複数の楽器を演奏する打楽器奏者の場合に役立ちます。

複数のインストゥルメントが割り当てられ、インストゥルメント名を譜表ラベルに表示しているプレーヤーに対し、譜表ラベルはプレーヤーが現在演奏しているインストゥルメントを表示します。プレーヤーが組段の途中でインストゥルメントを変更する場合、新しいインストゥルメント名は最初の音符の位置で譜表の上に表示され、譜表ラベルは次の組段の開始位置から更新されます。

Dorico Elements は、移調楽器の譜表ラベルにインストゥルメントの移調、またはインストゥルメントのピッチを初期設定で表示します。移調楽器とは、記譜上のピッチと発音上のピッチが異なるインストゥルメントです。

パートレイアウトは初期設定では譜表ラベルを表示しません。ほとんどのパートに譜表は 1 つしか含まれず、それが何のための楽譜であるかはレイアウト名と状況から明らかだからです。初期設定のパートレイアウトでは、レイアウト名は 1 ページめの左上に表示されます。

インストゥルメントの移調、またはインストゥルメントのピッチを譜表ラベルに表示する条件は変更できます。また、譜表ラベルにおいてインストゥルメントの移調をインストゥルメント名の前後いずれに表示するかも変更できます。

補足
  • 譜表ラベルのインストゥルメントの数を手動で指定する必要はありません。Dorico Elements は、同じ名前のインストゥルメントが割り当てられた同じタイプのプレーヤーが複数いる場合、自動的にその数を特定します。

  • レイアウト名は、譜表ラベルに使用されるインストゥルメント名とは異なります。

  • 譜表ラベルは、最初の組段の譜表ラベルなどで、プレーヤーに割り当てられるインストゥルメントをすべて表示することはありません。そのためスコアの冒頭には、楽器の持ち替えをすべて示す完全なインストゥルメントのリストを掲載する必要があります。

MusicXML ファイルから読み込まれた譜表ラベル

MusicXML ファイルを Cubase から書き出して Dorico Elements に読み込む場合、ファイルの書き出しの前に Cubaseスコアエディターでインストゥルメント名を変更し、Dorico Elements が使用する英語のインストゥルメント名と同じにしておくことで、インストゥルメント自動選択の精度を上げられます。